2005 Fiscal Year Annual Research Report
Functional MRIを用いた聴覚障害,前庭機能障害の回復・代償過程の解析
Project/Area Number |
15591807
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
花満 雅一 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30346027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 弘徳 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60303765)
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Keywords | 脳機能画像 / functional MRI / 聴覚障害 / 前庭機能障害 / 回復過程 |
Research Abstract |
1.聴覚障害の解析 高性能MRI用非磁性体ヘッドホンを用いて平成15,16年度に引き続いて検討をおこなった。(対象・方法)突発性難聴12例,難治性耳鳴14例を対象に健側耳音刺激による聴覚野反応(Sparse sampling法)を測定した。音刺激はホワイトノイズ(80dB SPL)を用いた。時間経過は発症1週間以内,発症後1ヶ月,6ヶ月,1年,2年の5回の時間軸について同じ刺激を用いて同じ条件で測定した。(結果)症例数を増やしたが5回の時間軸すべてで安定して脳機能を測定できた症例は3例であった。他は発症から最終測定までの時間が短かったり,頭部の動きなどの理由で途中データが比較できないものがあった。これらを踏まえ突発性難聴発症1週間以内に測定した12例中1年後で評価できた症例は10例であった。この10例で検討すると突発性難聴の聴力回復が良好な症例では初回検査時から1次聴覚野,聴覚連合野の反応は良好で,健聴人と差がなかった。中等度以上の難聴では治療経過とともに聴覚野の反応は改善した。発症後1年の時点では聴力固定(発症後1ヶ月)の時点の反応と変化ない症例(障害側と同側の反応亢進)と変化があった症例(障害側と同側の反応亢進が減少する)が同数にみられた。変化がある症例とない症例の差は聴力像,発症時聴力など検討したがはっきりとした傾向は得られなかった。 2.前庭障害の解析 前庭の直流刺激用システムを用いて平成15,16年度と同様の検討をおこなった。(対象・方法)正常対照は12例で,前庭神経炎7例を対象に閉眼時と開眼固視時の前庭刺激による反応を検討した。前庭神経炎発症時と発症後1年経過した時点の2点で比較できた症例は5例であった。前庭神経炎の症例が十分に集まらなかったため群解析はできないため,個人解析のレベルでの結果を報告する。(結果)前庭神経炎発症時は開眼,閉眼とも反応が測定できた症例は1例のみで残りの4症例では正常人と比べ直流刺激に対する反応は減少していた。発症後6ヶ月,1年の症例(各1例)でも反応は正常人と比べ低下していた。しかし,開眼時の刺激では楔前部の賦活が強くみられ,正常人と異なりこの部位が前庭障害時に活動が亢進し前庭眼球反射を調整している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)