2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591809
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤野 清大 京都大学, 医学研究科, 助手 (50359832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 知子 京都大学, 医学研究科, 研究員(常勤形態)(科学技術振興) (20362519)
辻 純 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252448)
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50335270)
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Keywords | 神経幹細胞 / 器官培養 / 細胞移植 |
Research Abstract |
まず幹細胞移植として、内耳器官培養への神経幹細胞移植を行った。3日齢(P3)ラットの側頭骨より、耳石器・コルチ器を摘出し、器官培養した。アミノ配糖体で有毛細胞を障害した後、ラット神経幹細胞(PZ5)を移植した。移植後4-14日後に標本を固定し、X-gal染色を行ったところ、感覚上皮(有毛細胞)層に生着した神経幹細胞が認められた(業績1)。 次に遺伝子操作法による内耳再生として、細胞の増殖・分化を制御するNotch情報伝達系の転写因子RBP-Jをノックアウトした標本を作製した。マウスコルチ器の器官培養において、アデノウイルスをベクターにCre-loxPシステムを用いて、RBP-Jをノックアウトした。この標本において、本来有毛細胞の存在しない、外有毛細胞より外側の支持細胞領域において、有毛細胞の出現が確認された(未発表データ)。この支持細胞は、有毛細胞分化への潜在能力をもちながらもNotch情報伝達系により分化を抑制されていると考えられており、Notch情報伝達系転写因子のノックアウトにより、予想通り有毛細胞へと分化させることが出来た。現在感覚毛の形態学的検討のための電子顕微鏡撮影および機能解析のための電気生理実験(パッチクランプ)を実施中である。 同じく遺伝子操作法による内耳再生として、WNT情報伝達系の転写因子のノックアウト実験を準備中である。この標本では通常核内濃度が低く抑えられているβ-cateninが核内に移行することにより細胞増殖が開始され、同様に支持細胞領域での有毛細胞出現が期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fujino K, Kim TS, Nishida A et al.: "Transplantation of neural stem cells into explants of rat inner ear"Acta Otolaryngol Suppl. 551. 31-33 (2004)
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[Publications] Kim TS, Nakagawa T, Lee JE, Fujino K et al.: "Induction of cell proliferation and β-catenin expression in rat utricles in vitro"Acta Otolaryngol Suppl. 551. 22-25 (2004)
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[Publications] Kim TS.Kojima K, Nishida A, Tashiro K, Lee JE, Fujino K et al.: "Expression of calretinin by fetal otocyst cells after transplantation into damaged rat utricle explants"Acta Otolaryngol Suppl. 551. 34-38 (2004)
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[Publications] Naito Y et al.: "Transplantation of bone marrow stromal cells into the cochlea of Chinchillas"NeuroReport. 15・1. 1-4 (2004)
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[Publications] 伊藤壽一 他: "内耳障害の再生医学的アプローチ"中西印刷. 244 (2003)