2003 Fiscal Year Annual Research Report
ほ乳類内耳感覚上皮の発生・再生とMusashi1の発現について
Project/Area Number |
15591814
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 潤子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80332740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 武 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30107031)
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
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Keywords | Musashi1 / Hes1 / 有毛細胞 / 再生 |
Research Abstract |
我々は、神経幹細胞特異的マーカーの一つであるMusashi1のマウス内耳における発現を調べてきた。Musashi1はyoung adult mouseの内耳においてラセン神経節、前庭神経節と感覚上皮に発現が見られ、感覚上皮では免疫染色によって支持細胞特異的にMusashi1陽性細胞が認められた。我々はこの結果を雑誌論文にし、Neuroscience Letters 354(2004),201-204.に掲載された。 研究分担者の岡野らはMusashi1はNumbの機能を阻害することでNotch伝達系を活性化することを発見し、この結果Hes1、Hes5などの抑制型bHLH因子の発現を誘導する可能性を示唆した。有毛細胞と支持細胞への細胞分化には、Math1とHes1、Hes5の発現のバランスが重要であることが明らかにされてきている。このような有毛細胞の分化、再生におけるNotch伝達系の重要性に注目している我々は、Musashi1と並行してHes1についてもdevelopmental expression patternを詳細に調べた 内耳感覚上皮においでHes1の発現はimmatureな領域の細胞と支持細胞の核に最初発現が見られるが、その後支持細胞の核の陽性所見は細胞質に移行し、さらに有毛細胞の核にも陽性所見がみられるようになり最終的には有毛細胞の細胞質に限局した。一方Musashi1は感覚上皮においては支持細胞の細胞質に陽性所見が見られ、有毛細胞に発現が見られることはどの段階においてもなかった。これらの結果は主に蝸牛での結果については第13回日本耳科学会学術講演会(2003年9月、幕張)にて口演発表し、また主に前庭についてARO Midwinter Meeting(2004年2月、フロリダ)にてポスター発表した。
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Research Products
(1 results)