2004 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性炎症が鼻副鼻腔炎の難治化に及ぼす影響についての分子生物学的解析
Project/Area Number |
15591816
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹野 幸夫 広島大学, 病院, 講師 (50243556)
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Keywords | 鼻アレルギー / 副鼻腔炎 / 好酸球 / サイトカイン・ケモカイン / helper T 細胞 / CCR4,CXCR3 / 転写因子NF-kB / グルココルチコイド |
Research Abstract |
近年、副鼻腔炎の病態にもアレルギー性炎症の影響を受けていると考えられる症例が増加してきている。これらのものは粘膜への顕著な好酸球浸潤を特徴とし、薬物療法に抵抗性を示す場合が多く、疾患の難治化因子として大きな問題となっている。 これまでの研究において我々は、臨床的に鼻アレルギー合併の副鼻腔炎症例では、OMC(ostiomeatal complex)を中心とした領域のみならず、副鼻腔各洞全体に及ぶ粘膜病変を呈しやすく、かつ局所好酸球浸潤程度と深い関係が存在することを解明した。同時に分子生物学的にこれらの難治症例では、炎症性サイトカインであるIFN-γ mRNAの低下とGM-CSF、IL-5、eotaxin mRNA発現の亢進が観察されると同時に、CD4陽性Th細胞subsetの中でCCR4(Th2)陽性細胞数の増加と、CXCR3(Th1)細胞/CCR4細胞比の低下を確認した。 本年度の研究では、ヒト培養副鼻腔上皮細胞モデルを用い炎症性サイトカイン刺激により果たして、上記のような好酸球を誘導する環境が形成されるかどうか一連の検討を行った。特に細胞内転写因子であるNF-κBの活性化応答の変化と、ステロイド剤による抑制効果、に着目して実験を行った。その結果、培養細胞をTNF-αで刺激することにより、早期に転写因子活性の有意な上昇が確認された(Trans-AM assayによる定量実験)。またこの活性化はステロイドの前投与により濃度依存的に抑制が可能であった。同時に免疫組織学的な観察でも、p50 subunit並びにglucocorticoid receptorの発現と核内移行の所見が観察された。これらの結果は、副鼻腔粘膜における上皮構成細胞がeffector cellとして好酸球浸潤に深く関与していることと、外用ステロイドなどによるその制御が病態治療に有用であることを示している。
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Research Products
(4 results)