2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591819
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中谷 宏章 高知大学, 医学部, 助教授 (60172334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山河 和博 高知大学, 医学部, 助手 (50335949)
浜田 昌史 高知大学, 医学部, 助手 (20325426)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 麻痺モデル動物 / 活性酸素 / ラジカルスカベンジャー / 神経再生 |
Research Abstract |
虚血性顔面神経麻痺モデル動物を用いて、ラディカルスキャベンジャーの1つであるedaravone (Radicut【○!R】)使用により、麻痺の発症率、Reactive Oxygen Species (ROS)産生、及び組織障害にどのような変化が生じるを検討した。 1.顔面神経麻痺の発症率 ハートレイ系正常白色モルモット53匹を用い、中硬膜動脈岩様部枝遮断後に生じる顔面神経麻痺評価を2週間継続して行った。edaravone無投与群では、遮断4日目には80%、2週間目で50%に麻痺が存在したが、edaravoneを遮断直後より投与すると、遮断1/2日後で42.9%、遮断2週目には麻痺の発症は19.0%と統計学的有意差をもって麻痺発症率は低下した。遮断2日目より投与した群では、遮断3日目以降麻痺の発症率が低下し、2週間目には16.7%に麻痺をみるにとどまった。 2.ROSの産生 モルモット2匹において中硬膜脈岩様部枝遮断による顔面神経のROS産生を検討した。edaravone非投与動物では、麻痺側の顔面神経には極めて顕著なROSの産生をみたが、投与動物では、ROSの産生は顕著でなかった。 3.顔面神経障害の形態学的評価 edaravone非投与と投与の高度麻痺動物それぞれ2匹ずつにおいて、麻痺1ヵ月後の組織学的変化を比較検討した。乳突部ではedaravoneの投与如何に関わらず高度の障害が認められたが、膝部で{はedaravone投与動物においては神経損傷が回復過程にあることが伺われた。また、edaravone非投与動物では神経節の細胞体は高度に変性しているが、edaravone投与動物では細胞体は残存し、明確な変性像も認められなかった。 顔面神経麻痺を進行させる障害部位での虚血性変化にはフリーラディカル反応が深く関与していると考えられるが、今回の検討でもedaravone非投与動物に認められた顕著なROSの産生はedaravone投与動物にはみられなかった。麻痺発症もedaravone投与群では有意に低下をし、かつ組織学的にもedaravone動物では組織損傷が軽度であった。以上の結果より、ラディカルスカベンジャーは、虚血と神経浮腫の悪循環を抑制し、神経再生を促進させることが期待できると考えられた。
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