2004 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌におけるプロテアーゼインヒビター;SCC Antigenの役割に関する研究
Project/Area Number |
15591820
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中島 寅彦 九州大学, 医学研究院, 講師 (00284505)
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Keywords | 頭頸部癌 / SCC抗原 / 鼻副鼻腔乳頭腫 |
Research Abstract |
われわれは正常上皮、前がん状態、浸潤癌へと進行する癌のprogression過程におけるセリンプロテアーゼインヒビターの役割について仮設(セリンプロテアーゼインヒビターであるSCC抗原は癌細胞そのものにとっては抑制的に作用する)を考え研究を行ってきた。本年度はSCC抗原を分子標的とした癌治療の可能性につの研究を継続させており、ヌードマウスを用いたSCCA1遺伝子導入による研究を行なってきた。SCCA1を頭頸部扁平上皮癌細胞に強制発現させると細胞のin vitro, in vivo浸潤能が抑制されること、エレクトロポレーションを用いたSCCA1遺伝子導入実験にて移植癌細胞に効率よく遺伝子が導入されることなどを報告してきた。 また、臨床的に前癌病変と考えられている鼻・副鼻腔乳頭腫におけるSCCA1の発現、及び血清SCC抗原測定が臨床的に有用であると以前報告したのに続き、今年度は鼻・副鼻腔の内向性乳頭腫患者の術後の経過観察に血清SCC抗原値が有用であることを報告した。 SCCA1は頭頸部の扁平上皮癌患者においては癌組織周囲(特にリンパ節転移巣)のTリンパ球で発現が誘導され、そのために血清値が上昇するが、頭頸部原発の腺癌、甲状腺癌ではその発現は誘導されない。今後はSCCA1の発現誘導に関わる転写因子を同定し、正常上皮、前癌病変、浸潤癌におけるSCCA1発現の違いが生じる機序を分子生物学的に明らかにすることが課題である。
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Research Products
(5 results)