2004 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛破壊後の音響刺激に対する前庭神経の発火様式:単一ユニットによる検討
Project/Area Number |
15591836
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
越智 健太郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20214158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宅 大輔 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00367343)
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Keywords | 前庭性誘発筋電位 / アミカシン / 蝸牛破壊 / 前庭神経 / 単一神経ユニット |
Research Abstract |
前庭性誘発筋電位(vestibular-evoked myogenic potentials: 以下VEMP)は音響刺激により誘発される筋電位であるが、臨床応用には未だ不明な点がある。本研究の目的は、前庭神経から単一神経ユニットで記録を行うことで臨床応用上の不明な点を明らかにすることである。検討課題としては、蝸牛破壊後の音響刺激に対する、前庭神経発火、中でも刺激間隔、刺激音の周波数特性について明らかにする。 まず蝸牛破壊モルモットの作製を行った。以前より報告のあったamikacin 450 mg/kgを14日間筋肉内投与した。およそ1ヶ月後に蝸電図を行ったが、蝸牛は破壊されておらず、action potentialが記録され、さらにABRでも良好な反応が記録された。amikacinのdoseが足りないと考え、倍量のamikacin 900 mg/kgを14日間筋肉内投与した。およそ1ヶ月後に蝸電図を行ったが、action potentialは全く記録されず蝸牛を破壊することができた。しかし、ABRを行ったところ我々の施設での最大音圧刺激でも記録されず、amikacinのdoseが多すぎ、前庭系も破壊されたと考えられた。これに伴い再度amikacin 450 mg/kgを14日間筋肉内投与を行ったが、やはり蝸牛を破壊できず、現在amikacin 700 mg/kgを14日間筋肉内投与したが十分に蝸牛を破壊することはできなかった。 音響外傷による蝸牛破壊も試みた。115 dBのwhite noiseを12時間負荷まで行い、蝸牛の破壊を十分に行うことはできなかったが、小脳を吸引し、聴神経を露出し、音響刺激に対する前庭神経の発火様式をタングステン電極にて検討した。単一ユニットに分離し、刺激間隔の影響および刺激周波数の影響の検討を行った。 VEMPの記録も行ったが、安定した記録を全ての動物に行うことは困難ではあるが、現在も実験を継続中である。
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Research Products
(3 results)