2004 Fiscal Year Annual Research Report
HPV16E7発現頭頸部上皮細胞における安定化したp53蛋白の機能解析
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15591837
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
堤 康一朗 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40217344)
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Keywords | HPV16E7 / 頭頸部上皮細胞 / p53 |
Research Abstract |
野生型p53は正常細胞ではユビキチンシステムによって速やかに分解されるが、DNA障害などのストレスがかかった際に安定化(活性化=蓄積)し、細胞増殖停止やアポトーシスを誘導することが知られている。平成16年度はヒトパピローマウイルス16型(HPV16)のE7領域がコードする蛋白(E7)を発現させた培養頭頸部上皮細胞(E7-HNEC)でのp53はほぼ例外なく野生型のまま安定化(p53遺伝子転写の亢進は認めなかった)するが、細胞増殖停止やアポトーシスは、籾代培養された正常HNEC(p53は野性型で不安定である)と比較し、その誘導能が減少することを確認するとともに、E7-HNECにおけるp53のターゲット遺伝子の転写状態、リン酸化、mdm2との結合能、および強制強発現させたmdm2蛋白による分解の状態を検討したが、ひとつひとつのE7-HNEC細胞株によって結果が異なり、その理由が不明で(当初E7-HNECでのこれらのデータは安定しているものと仮説をたてたが)研究が暗礁に乗り上げた。また、E7-HNECにおけるp53結合蛋白をプロテオミクス手法(Mass spectrometry等)で分析することを開始したが、現在までのところ、正常HNEC、E7-HNECの継代培養中にp53遺伝子が自然変異した細胞株(p53は変異型で機能しない)、HPV16(フルゲノム)発現HNEC(E7と共にHPV16のE6を発現しているためp53はE6と結合し分解され検出感度以下である)らとの明らかな相違を認めていない。
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