2005 Fiscal Year Annual Research Report
HPV16E7発現頭頚部上皮細胞における安定化したp53蛋白の機能解析
Project/Area Number |
15591837
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Research Institution | ST.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
堤 康一朗 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40217344)
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Keywords | HPV16E7 / 頭頸部上皮細胞 / p53 |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)のE7領域がコードする蛋白(E7)を発現させた培養頭頸部(喉頭)上皮細胞(HLEC16E7)でのp53は野生型のまま安定化するが、p53のターゲット遺伝子の転写状態などが、ひとつひとつのHLEC16E7細胞株によって結果が異なり(平成15〜16年度、理由は不明)、本研究は暗礁に乗り上げている。平成17年度は、HLEC16E7細胞のFas受容体(Fas)依存性アポトーシスに対する感受性に関して調べた。Fas感受性細胞では、FasとFas-ligand(FasL)の結合によって誘導されるアポトーシス効果が、抗Fas抗体がFasに結合することによっても観察される。抗Fasモノクローナル抗体(CH11)で正常培養頭頸部上皮細胞(nHLEC)と6系統のE7発現HLEC(HLEC16E7.1、HLEC16E7.2、HLEC16E7.3、HLEC16E7.4、HLEC16E7.5、HLEC16E7.6)を処理し誘導された細胞死を検討した。全てのE7発現HLECとnHLECはFasを発現し、FasLは発現していなかった。HLEC16E7.4(CH11-resistant)を除くE7発現HLECではnHLECと比較してCH11誘導性アポトーシスに対する感受性が上昇していた。今回CH11-resistantとの結果を得たHLEC16E7.4は、継代培養中に自然にp53遺伝子変異(in codon 273 from CGT to CCT)が生じていた。これらの結果は、E7の発現はHLECにおけるFas依存性アポトーシスを増強し、その増強反応はp53依存性である可能性を示唆する。
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