2004 Fiscal Year Annual Research Report
種々の培養系疾患モデルを用いた網膜神経節細胞死の発症機序とその保護方法の検討
Project/Area Number |
15591848
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
柏木 賢治 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30194723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今澤 光宏 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (20262652)
高橋 博 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (70273050)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 網膜グリア細胞 / 培養実験 / 細胞間相互細胞 / DNA chip / 一酸化窒素 / 加重負荷 |
Research Abstract |
培養細胞を用いた実験結果は、時に生体での反応と異なることがある。これは、培養状態では、細胞の存在環境が生体と大きく異なるためや細胞間相互作用が異なることなどが大きな原因であると考えられる。しかしながら、混合培養細胞を用いた場合、細胞毎に異なる負荷反応を十分に解析することができない。そこで、本研究では、単離細胞を用い、負荷条件に対する単一細胞反応を明らかにすると同時に、生体での細胞相互作用を培養細胞で明らかにするために、単離細胞から混合培養を再構築する実験系を作成した。これらにより、種々の負荷に対する単一細胞と細胞間相互作用を分子レベルでの解析することが可能になった。 単離細胞に対する負荷反応研究では、新たに開発した定量的加重装置を用いた加重負荷時のマウス網膜神経節細胞と網膜グリア細胞の生存率の差、DNA chipを用いた細胞種によるmRNA反応の解析を行い、外的負荷に対する細胞による反応性の違いを明らかにした。また、低酸素負荷を加えた際の一酸化窒素の産生能にも2つの細胞に大きな差があることを明らかにした。さらに、マウス眼球からそれぞれ単離した網膜神経節細胞と網膜グリア細胞から、in vitroの環境で生体を模した混合培養環境を構築し、負荷を加えた際の細胞間相互作用を検討した。その結果、外的負荷に対しては網膜グリア細胞が一次的に反応し、その結果網膜神経節細胞の生存に影響を与えていることが明らかになった。これらの結果から、神経保護や神経障害機序を検討する上で、細胞間相互作用を検討することが重要であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)