2004 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素上皮細胞に対する酸化ストレスとCTGFおよびMMPとの関連
Project/Area Number |
15591856
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80335364)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362717)
|
Keywords | 加齢黄斑変性 / 網膜色素上皮 / 酸化ストレス / CTGF / MMP |
Research Abstract |
低酸素-再酸素化およびパラコート添加という2種類の酸化ストレス負荷を培養網膜色素上皮細胞に負荷すると、CTGF及びMMP2の発現が上昇した。これらの分子の発現を、手術で摘出した加齢黄斑変性症例の脈絡膜新生血管で免疫組織学的に検討を行ったところ、CTGFの発現が確認された。次に、強い血管新生作用をもつVEGFの発現が、網膜色素上皮細胞内で酸化ストレス負荷により影響されるか検討したところ、VEGFも酸化ストレス負荷にて発現上昇しており、これらの分子の相互作用により、脈絡膜新生血管が伸展する可能性が示唆された。 さらに脈絡膜新生血管抑制因子であるtriamcinolone acetonideを濃度をかえて添加し、酸化ストレス負荷後の網膜色素上皮細胞におけるこれらの分子の発現変化を確認したところ、10nM、1μM、100μMのtriamcinolone acetonideの添加で、CTGFの発現は濃度依存性に促進され、VEGFは逆に抑制された。CTGF、VEGF発現カスケードの上流にある共通の分子TGFβの発現変化を確認すると、TGFβはVEGFと相関する発現変化を示した。すなわち、triamcinolone acetonideによる網膜色素上皮細胞内におけるCTGFの発現促進は、TGFβを介さないことがわかった。 これらの発現変化が実際に脈絡膜血管新生と関連するかどうかを調べる目的で、ヒト臍体静脈血管内皮細胞を用いたtube formationを、酸化ストレスを負荷した網膜色素上皮細胞の培養上清及び、triamcinolone acetonide添加のうえ酸化ストレスを負荷した網膜色素上皮細胞の培養上清を用いて行った。その結果、1μMのtriamcinolone acetonideを添加した上清で、有意にtube formationは抑制されており、これらの分子の発現と血管新生との関連が示唆された。
|
Research Products
(6 results)