ウイルス感染に関連する遺伝子多型の検索

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15591867
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 中尾 久美子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30217658)
• Keywords: ウイルス / 遺伝子多型 / ぶどう膜炎 / HTLV-1 / SOD / NOS / ICAM-1

Research Abstract

多くの内因性ぶどう膜炎については原因が解明されないままであるが、一部のぶどう膜炎はウイルス感染が関与していることが判明している。しかし、ウイルス感染者のごく一部しかぶどう膜炎を発症しないことから、ぶどう膜炎の発症にはウイルス感染という外的因子だけでなく、宿主側の要因が強く関与していると推測される。宿主側の要因として外来性物質や刺激に対する遺伝的個体差がぶどう膜炎の発症に関与するという仮説をたて、種々のぶどう膜炎患者で抗酸化機構に関与する各種酵素や炎症に関与する接着分子やサイトカイン等の候補遺伝子を検索した。ぶどう膜炎191例(Vogt-小柳-原田病51例、ベーチェット病78例、HTLV-1関連ぶどう膜炎62例)とコントロール88例のリンパ球からDNAを抽出し、PCR-restriction法でNOS1、SOD2、SOD3、ICAM-1の遺伝子多型を調べた結果、NOS1、SOD3、ICAM-1の遺伝子多型の頻度は、いずれのぶどう膜炎もコントロールと同様の頻度であった。SOD2はベーチェット病でallele Cの頻度がコントロールと比べて有意に低く(p<0.00005)、ベーチェット病の発症の宿主因子としてSOD2の遺伝子多型が関与している可能性が示唆された。遺伝子多型の頻度に有意差のみられたSOD2について、血清中のSOD2をELISAで測定した結果、Vogt-小柳-原田病18.1±3.5ng/ml、ベーチェット病22.3±4.8ng/ml、HTLV-1関連ぶどう膜炎20.4±6.3ng/mlで、各ぶどう膜炎で有意差はなかった。SOD2の遺伝子多型による差もみられなかった。

Research Products

• [Publications] Kaminagayoshi T, Nakao K, et al.: "Analysis of HLA class I and class II gene polymorphisms in Japanese patients with human T-cell lymphotropic virus type 1-associated uveitis"Ocular Immunology and Inflammation. in press. (2004)