2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼循環改善作用を持つ薬物の毛様動脈血管平滑筋に対する効果についての薬理学的研究
Project/Area Number |
15591872
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉冨 健志 秋田大学, 医学部, 教授 (60191623)
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Keywords | 緑内障 / 眼圧下降薬 / 眼循環 / 血管収縮 |
Research Abstract |
様々な緑内障治療薬の血管作用を検討した。今年度はベータ遮断薬の一種であるレボブノロールを検討した。この薬剤は眼圧下降効果だけでなく、眼血流改善効果があることが示唆されている。我々はこの薬剤が摘出毛様動脈を弛緩させることを見出した。さらに我々はこの薬剤の血管平滑筋に対する作用機序について検討を加えた。方法は前回も報告したとおりである。まず、屠殺した白色家兎から眼球を摘出し、視神経と並行して走る毛様動脈を摘出し、血管を微小血管収縮測定装置Myograph System (J.P.Tranding社.デンマーク)に固定し、薬剤に対する効果を調べた。その結果、レボブノロールは高K溶液で収縮させた毛様動脈を濃度依存性に弛緩させた。この弛緩反応は、一酸化窒素(NO)合成阻害薬であるNーニトローLーアルギニンメチルエステルによっては抑制されず、血管内皮を機械的に除去した標本でも見られたことから、血管内皮細胞由来NOの作用は関与していないと考えられた。弛緩は10μMphenylephrine、10μM histamineで収縮させた標本でも、あるいは100nM endothelin-1で収縮させた標本でも同様に見られた。Ca-free溶液下で起こるhistamineによる収縮はレボブノロールで抑制された。すなわち、レボブノロールによる家兎毛様体動脈弛緩は細胞内のCa放出による収縮に対して、より効果があることが明らかとなった。レボブノロールの毛様動脈弛緩機序は眼圧下降機序とは異なると考えられた。また、その機序としては血管平滑筋細胞内からのCa放出阻害が示唆された。この結果は日本眼科学会で発表した。
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Research Products
(6 results)