2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症および糖尿病黄斑症の遺伝子解析:VEGF遺伝子多型を中心として
Project/Area Number |
15591875
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
粟田 卓也 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (40184303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 裕幸 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20348246)
大久保 智子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40348214)
森 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90251090)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 糖尿病黄斑症 / 遺伝因子 / 血管内皮増殖因子(VEGF) / eNOS |
Research Abstract |
われわれは糖尿病網膜症および糖尿病黄斑症の遺伝因子の解析を行ってきた。まず、血管新生のみならず血管透過性亢進をもたらす血管内皮増殖因子(VEGF)に注目し、2型糖尿病において5'非翻訳領域のC(-634)G多型と網膜症との有意な関連を見出した(Diabetes 51:1635-1639,2003)。さらに、国際共同研究により、VEGF多型は筋萎縮性側索硬化症(ALS)とも関連することを見出した(Nat Genet 34:383-394,2003)。また、C(-634)G多型は原因不明の炎症性疾患である側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)(J Rheumatol 30:2160-2164,2003)および乾癬(J Invest Dermatol 122:209-15,2004)との関連が報告された。機能的にも、VEGF多型は血中VEGF濃度と関連し、in vitroでの転写活性に影響をしていた。C(-634)G多型は、VEGF遺伝子の翻訳開始位置にも影響し、large VEGF isoform (L-VEGF)の形成を通じて疾患感受性に関与することが示唆された。さらに最近、われわれは黄斑症の発症にVEGF多型が関与することも認めた。われわれは、ALR2、eNOS、MTHFR、PEDF(血管新生抑制因子)、TGF-β1の各遺伝子についても検討した。ALR2遺伝子については網膜症・黄斑症との関連が示唆され、eNOS遺伝子については、27bp繰り返し多型およびT(-786)C多型が網膜症には関連しないものの黄斑症とは有意に関連していた(Diabetologia 46[Suppl 2]:A12,1993)。27bp繰返し配列多型あるいはそれと強い連鎖不平衡にあるT(-786)C多型は機能的にはeNOSの発現低下への関与が報告されており、内皮細胞から産生されるNOの低下が黄斑症に関与することが示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Lambrechts D et al.: "VEGE is a modifier of amyotrophic lateral sclerosis in mice and humans and protects motoneurons against ischemic death."Nature Genetics. 34(4). 389-394 (2003)
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[Publications] Watanabe M et al.: "Regulation of PRAR gamma transcriptional activity in 3T3-L1 adipocytes."Biochem Biophys Res Commun. 300(2). 429-436 (2003)
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[Publications] 粟田卓也: "血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子多型と糖尿病網膜症との関連"日本糖尿病眼学会誌. 8. 21-23 (2003)
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[Publications] 粟田卓也: "糖尿病網膜症の遺伝因子"内分泌・糖尿病科. 17(1). 16-23 (2003)