2004 Fiscal Year Annual Research Report
成熟哺乳動物の網膜神経再生と機能再建に向けての基礎研究
Project/Area Number |
15591876
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高野 雅彦 北里大学, 医学部, 講師 (40236253)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 軸索再生 / 細胞死 / 逆行性標識 / 神経栄養因子 / 神経再生促進因子 / 遺伝子導入 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
神経栄養因子であるBDNF(brain-derived neurotrophic factor)以外に、GDNF(glial cell-derived neurotrophic factor)をもちい、生体系および培養系にてその効果を検証した。成熟ラットをネンブタールで深麻酔後、脳定位固定装置にて頭部を固定、開頭し、両側の四丘体上丘に少量の蛍光色素(Dil、fluorogold)を注入した。その後、実験動物を約10日間飼育した。この蛍光色素は上丘において取り込まれ、視索・視神経すなわち網膜神経節細胞の軸索を逆行性に運ばれたのち、網膜神経節細胞の細胞体を生体標識できた。 GDNFの遺伝子を分子生物学的に修飾し、あらかじめDiIにて網膜神経節細胞を標識したラットの硝子体腔に注入し、すでに我々が報告したelectroporation法にて網膜内層の細胞に直接遺伝子導入を図った。結果、網膜内層にある網膜神経節細胞にGDNF遺伝子が取り込まれ、GDNFのタンパク合成が確認できた。ラットの視神経を切断し、逆行性の細胞死を生じさせて、GDNFの導入が神経細胞死にあたえる影響を検討したところ、GDNFは軸索切断後の神経細胞死を明らかに抑止することがわかった。 我々がすでに報告しているcollagen培養法により網膜神経組織を培養した。一定の条件を保つことにより神経突起の再生を得た。これらの方法により現在では神経組織、再生突起ともに数週間の生存が可能である。この方法では生体観察系に比べ、経時的に網膜神経細胞からの突起再生を直接顕微鏡下に観察、記録することができるという利点がある。培養液にBDNFおよびGDNFを添加し、その細胞死抑止効果および神経再生促進効果を経時的に観察、検討した。この網膜を蛍光顕微鏡にて観察し、標識細胞数を経時的に計測し、上記、生体系とほぼ同様の結果を得た。また、BDNFおよびGDNFともに培養下で、網膜神経節細胞からの神経突起再生を促進することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)