2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づいた網膜疾患の遺伝的要因の網羅的連鎖解析システムの構築
Project/Area Number |
15591883
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
近藤 寛之 福岡大学, 医学部, 講師 (40268991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健志 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00019671)
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Keywords | 網膜疾患 / ヒトゲノム / 網膜色素変性症 / マイクロサテライトマーカ / 遺伝子診断 / 常染色体劣性遺伝 |
Research Abstract |
我々が開発したポストラベル法を用いて、遺伝子特異的な連鎖解析研究を推進した。現在わが国では、従来の連鎖解析法に有効なだけの人数の患者の家族のDNAを収集することがしばしば困難である状況から、患者個人(発端者)のみより遺伝子診断を行うための研究として、一個人からホモ接合体マッピングを行い原因遺伝子を同定する研究に着手した。まず遺伝子異質性の極めて高い常染色体性劣性遺伝性網膜色素変性症(arRP)を対象として原因遺伝子の同定を試みた。arRPは現在16種類の原因遺伝子が知られ、それらのエクソンの総数は256にのぼり、いまのところ全世界で臨床検査として直接遺伝子診断を行っている施設はない。また、この16種類はarRPの原因遺伝子の一部にすぎないと考えられている。このためarRPの原因遺伝子を診断するのは極めて困難な状況である。そこで、これら16種類の原因遺伝子に対して網羅的連鎖解析システムの有用性を検討した。1遺伝子あたり平均5個の遺伝子特異的マイクロサテライトマーカをゲノム情報として抽出し、マルチプレックスPCR条件の最適化を行った。このマイクロサテライトマーカのセットを用いて、arRPまたは孤発例の網膜色素変性症患者60名を対象に遺伝子診断の可能性ある23名(1名あたり1〜3遺伝子が候補)を抽出した。さらに直接シークエンス法にて3つの遺伝子に対し3つの新規の変異を検出した(Kondo H, et al.2003 Am J Hum Genet : 73;s578)。本研究は、arRPの原因遺伝子変異の多様性を明らかにし、その変異が引き起こす表現型の多様性を解明していく上で有用であると考えられる。これらの知見が難治疾患である網膜色素変性症の診断と遺伝子レベルでの治療の推進に寄与するものと思われる。現在網膜色素変性症の類縁疾患に検査対象を広げ、研究を推進している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kondo H, Tahira T, Mizota A, Kondo M, Hayashi H, Hayashi K, et al.: "Homozygosity-based screening with multiple locus-specific microsatellite markers toward the diagnosis of autosomal recessive retinitis pigmentosa"Am J Hum Genet. 73(supple). s578 (2003)