2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づいた網膜疾患の遺伝的要因の網羅的連鎖解析システムの構築
Project/Area Number |
15591883
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
近藤 寛之 福岡大学, 医学部, 講師 (40268991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健志 九州大学, 生体防御医学研究科, 教授 (00019671)
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Keywords | 網膜疾患 / ヒトゲノム / 遺伝子診断 / マイクロサテライトマーカ / 常染色体劣性遺伝 / 網膜色素変性症 / 家族性滲出性硝子体網膜症 |
Research Abstract |
我々が開発したポストラベル法を用いて、遺伝子特異的な連鎖解析研究を推進した。現在わが国では、従来の連鎖解析法に有効なだけの人数の患者の家族のDNAを収集することがしばしば困難である状況から、患者個人(発端者)のみより遺伝子診断を行うための研究として、一個人からホモ接合体マッピングを行い原因遺伝子を同定する研究に着手した。 まず遺伝子異質性の極めて高い常染色体性劣性遺伝性網膜色素変性症(arRP)を対象として原因遺伝子の同定を試みた。最適化された遺伝子特異的マイクロサテライトマーカのセットを創出し、arRPまたは孤発例の網膜色素変性症患者60名を対象に遺伝子診断の可能性ある23名(1名あたり1〜3遺伝子が候補)の抽出に成功した。さらに直接シークエンス法にて3つの遺伝子に対し3つの新規の変異を検出した(Kondo H, et al. 2004 Invest Ophthalmol Vis Sci)。 本研究は、arRPの原因遺伝子変異の多様性を明らかにし、その変異が引き起こす表現型の多様性を解明していく上で、有用であると考えられる。 さらに、このような遺伝子多様性疾患の知見にもとづき難治疾患である家族性滲出性硝子体網膜症の診断と遺伝子レベルでの解明の推進に寄与した(Qin, et al. Hum Mutat ; in press)。 現在、対象疾患をさらに拡大し、遺伝子異質性の高い眼科疾患への応用を順次試みている。また、連鎖解析による病態の解明を必要とする病態として、X染色体連鎖性疾患におけるX染色体不活性化現象に注目し、遺伝子特異的マイクロサテライトマーカを用いた解析を行っている。
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Research Products
(2 results)