2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づいた網膜疾患の遺伝的要因の網羅的連鎖解析システムの構築
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15591883
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
近藤 寛之 福岡大学, 医学部, 講師 (40268991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健志 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00019671)
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Keywords | 網膜疾患 / ヒトゲノム / 遺伝子診断 / マイクロサテライトマーカ / 常染色体劣性 / 家族性滲出性硝子体網膜症 / 網膜色素変性症 |
Research Abstract |
我々が開発したポストラベル法を用い、ヒトゲノムを標的としたマイクロサテライトマーカによる遺伝子特異的な連鎖解析研究を推進した。対象は、網膜色素変性症(症候性を含む)、アッシャー症候群、全色盲、桿体錐体ジストロフィー、レーベル先天盲、家族性滲出性硝子体網膜症などの網膜疾患とした。現在、全ゲノム中16染色体(X染色体を含む)に分布する40の遺伝子に対して遺伝子特異的マイクロサテライトマーカのセットを創出し、実験実施(PCRなど)のための最適化条件を決定した。この、マーカを用い、各遺伝子に特異的なゲノム解析(連鎖解析、ホモ接合マッピング、先祖効果検出)が可能であった。 この研究を応用し、マイクロサテライトマーカ解析技術を日本人の網膜疾患症例の遺伝子異常の同定に役立てた。対象は、家族性滲出性硝子体網膜症、ノリエ病、家族性視神経萎縮、スタルガルト病、色素失調症などの網膜疾患である。原因となる遺伝子の変異の同定に成功し、各疾患における遺伝子変異分布の更新を行った。 特に、家族性滲出性硝子体網膜症は、日本人に多いとされる疾患であるが、表現型が多様で、その遺伝性には不明な点が多かった。本年度は、特に日本人家族性滲出性硝子体網膜症の遺伝子解析に重点をおき、60家系以上の患者を対象に、該当する遺伝子の疾患頻度、遺伝子変異の分布、遺伝形式の多様性、先祖効果、表現型-遺伝型関連性の多様性といった未知の点の解明に成功した。この成果は本疾患における遺伝カウンセリングに寄与するだけでなく、重症化抑止のための治療の推進に貢献すると思われる。
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Research Products
(2 results)