2003 Fiscal Year Annual Research Report
凍結保存グラフトを用いた新しい気管移植法の基礎的研究
Project/Area Number |
15591886
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 貢作 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60332756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大北 裕 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40322193)
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Keywords | 気管移植 / 凍結保存 / 組織移植 / 先天性気管狭窄症の治療 / 移植グラフトの発育 |
Research Abstract |
先天性気管狭窄症などの重篤な呼吸障害を来す疾患に対する新しい治療法として気管移植を試みた。日本家兎から採取し凍結保存した気管組織を他の家兎の気管グラフトとして移植したモデルを作製し研究を行った。ネンブタールによる全身麻酔下に、体重800g前後の家兎より心拍動下に気管8軟骨輸を採取した。Program freezerを用いて-1℃/minで-80℃まで冷却し、-196℃で1週間保存した。保存液はRPMI1640を用いた。気管グラフトはレシピエント家兎の気管中央に置換するように移植した。移植した気管グラフトはほぼ全例生着し、個体の成長には影響の無いことが推測された。また、組織学的にはグラフトの生着、血流の再開には2〜3週間かかることが示唆された。しかしながら移植グラフトは成長しえない事、3ヶ月以上の長期間の生存例では移植グラフトに石灰化が起こってくる事が判明した。この原因について検討中である。 次いで、凍結保存した気管組織の無細胞化をはかるため、気管グラフトに放射線照射を追加した。さらに組織工学的手法を加えて、レシピエント家兎の骨髄より採取した間葉系幹細胞を一定期間培養した後このグラフトに播種し細胞が生着後に移植する事も検討中である。これには、血管新生を促す効果があると推定されるタクロリムスを補助的に使用する。これらの手法を用いて1)気管内腔の開存性、狭窄の程度の肉眼的評価2)病理組織学的検査:グラフトの生着、肉芽形成3)免疫染色による気管内膜の変化、連続性、新生の検討4)電子顕微鏡によるグラフトの評価について検討中である。
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Research Products
(1 results)