2003 Fiscal Year Annual Research Report
各種血管作動薬が新生児の血管平滑筋に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
15591888
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
家入 里志 九州大学, 大学病院, 助手 (00363359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尻 達郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80304806)
田口 智章 九州大学, 大学病院, 助教授 (20197247)
水田 祥代 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30038856)
上杉 達 九州大学, 大学病院, 医員
荻田 桂子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40346771)
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Keywords | 新生児遷延性肺高血圧症 / 血管平滑筋 / 血管拡張薬 / 肺動脈 / 細胞内カルシウム濃度 |
Research Abstract |
これまでの当科における新生児遷延性肺高血圧症に対するストラテジーとしては、1980年代の過換気アルカリ療法とαアドレナリン拮抗薬を中心とした血管拡張薬の時代から、1990年代に入るとECMO導入の時代へと変遷を遂げたが、肺の低形成を合併した重度のPPHNのため1990年代前半までCDHの予後は極めて不良であった。しかし1994年からの経胎盤的に胎児に塩酸モルヒネを投与する胎児麻酔法の導入と、1997年からのNO吸入療法の導入により予後は大きく改善した(Suita S, et al.:J Pediatr Surg,1999)。同時期より、血管拡張剤もニトログリセリン、PGE1を主に使用するようになり、2000年にはPGEIII阻害剤を初めて使用し、その有効性を日本小児外科学会や日本小児外科学会雑誌にて発表した。現在、CDHの治療は、様々な治療法の組み合わせからなっているが血管拡張剤についてはどれが本当に効果的であるのかが不明な状況にある。したがって本研究においては横隔膜ヘルニアでの新生児遷延性肺高血圧症に対する治療戦略を念頭において、肺動脈に最も効果的な血管拡張薬の組み合わせ及びその作用機序を明らかにする。 初年度は成獣豚の肺動脈平滑筋条片を用いてCa-張力の同時測定を行った。肺動脈において右測定可能であることが実証されたため、今後はCa-張力測定装置を用いて、様々な濃度における張力および細胞内Ca濃度を測定する。それぞれの血管と作用させた薬剤に関してこの張力およびCa濃度を比較検討し、新生児の肺高血圧に対し最も有効である薬剤を調べる。また、細胞内Ca濃度の違いから各血管における薬剤の作用機序を推察する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suita S, Tajiri T, et al.: "Improved survival outcome for hepatoblastoma based on an optimal chemotherapeutic regimen. -A report from the study group for pediatric solid malignant tumors in the Kyushu Area, Japan"Journal of Pediatric Surgery. 39. 195-198 (2004)
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[Publications] Taguchi T, Suita S, et al.: "Universal distribution of c-kit positive cells in different types of Hirschsprung's disease"Pediatric Surgery International. 19. 273-279 (2003)
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[Publications] Taguchi T, Suita S, et al.: "The efficacy of autologous cord-blood transfusion in neonatal surgical Patients"Journal of Pediatric Surgery. 38. 604-607 (2003)
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[Publications] Tajiri T, Tanaka S, Suita S, et al.: "Expression of a MYCN-interacting isoform of the tumor suppressor BIN1 is reduced in neuroblastomas with unfavorable biological features"Clinical Cancer Research. 9. 3345-3355 (2003)
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[Publications] Ogita K, Suita S, et al.: "Effects of omega-3 fatty acids in rat allogenic small intestinal transplantation"Pediatric Surgery International. 19. 157-161 (2003)
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[Publications] Ogita K, Takada N, Taguchi T, Suita S, et al.: "Renal tubular acidosis secondary to FK506 in living liver Transplantation : A case report"Asian Journal of Surgery. 26. 218-220 (2003)