2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラット下肢同種移植に於ける急性期拒絶反応メカニズムとアポトーシスに関する研究
Project/Area Number |
15591896
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今井 啓道 東北大学, 病院, 助手 (80323012)
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Keywords | ラット下肢移植 / 同種移植 / 同系移植 / 急性期拒絶反応 / アポトーシス / DNase_Y / TUNEL法 |
Research Abstract |
1.動物実験 実験群(同種移植群:F344 to Lewis)および対照群(同系移植群:Lewis to Lewis)につきラット右下肢移植を行い、(1)皮膚軟部組織(2)膝関節(3)脛骨(4)脾臓(5)脳をサンプルとして、それぞれ術直後・術後1日・術後3日・術後7日・術後12日に採取した。Nは各期日につきそれぞれ10とし、そのうち5はパラフィン包埋標本、さらに5は凍結標本とした。 2.蛋白抽出 皮膚軟部組織につき、凍結標本より蛋白抽出を行った。 3.組織学的検索 HE染色標本について組織学的検討を行った。対照群では、術後経過上顕著な組織学的変化は認めなかった。実験群では、術後3日目からの皮下結合組織浮腫が顕著となり、術後7日目には著明な炎症細胞浸潤を認めた。表皮は術後7日目まで正常な形態を保ったが、術後12日目には表皮変性が顕著となり、また毛包等の皮膚付属器の変性も顕著となった。 4.生化学的検索 皮膚軟部組織につき、ラット下肢同種移植急性期拒絶反応に於けるアポトーシスの関与を検討するため、DNase_YについてWestern blot法により蛋白発現量の経時的変化を計測した。術後1日目より各期日において、Allograftで有意にDNase_Y発現の増幅を認め、術後七日目において発現量は最大となった。 5.免疫粗織化学的検索 DNase_Yにつき、免疫組織化学染色を行った。Isograftでは表皮細胞および毛包細胞全体に弱陽性所見を認めるのみであるが、Allograftでは特に核膜および核においてsignal増強を認めた。この陽性所見は、術後7日において最強となった。 さらにTUNEL法により、Allogaftでは表皮細胞および浸潤リンパ球において、アポトーシス細胞が検出された。
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