2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚・皮下脂肪内の微小血管網を肥大させて利用するハイブリット型人工皮弁の開発
Project/Area Number |
15591899
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
三鍋 俊春 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50200077)
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Keywords | 人工真皮弁 / choke血管 / ハイブリッド型人工皮弁 / vascularization / 血行領域 / 3-territory flap / 皮弁・人工真皮複合体 / axialization |
Research Abstract |
平成15年から16年度の2ヵ年で、人工真皮(ペルナック^<TM>)に皮下組織内のchoke血管を肥大させてaxializationした血管網を付加して生体内血管網が人工物(人工真皮)をvasculaizationするハイブリッド型人工皮弁を安定して作成できることがわかった。平成17年度では、このaxalizeした肥大血管網が身体の他の部位に移植しても安定しているかどうかを、引き続きラットに作成した皮弁モデルで検討を行なった。 研究の対象と方法 ウィスター系ラット64匹の片側背部に、2×8cm大の胸背、肋間、深腸骨回旋の3領域皮弁を作成し、胸背-腋窩動静脈のみを血管柄として一度血管を切断・採取して血流を遮断した。同血管柄を体の正反対となる腹側に作成した移植床に移行し、頚動静脈(16匹)または大腿動静脈(16匹)に微小血管吻合する遊離皮弁群と、血管茎がつながったまま移行した有茎移植群では血管吻合と同様の60分血流遮断群(16匹)と非遮断群(16匹)を作成した。両群とも5日目に皮弁の生存に関して、皮弁生着範囲の測定ならびにデジタル画像記録、動脈(酸化鉛ゼラチン)・静脈造影(マイクロフィル^<TM>)を行なった。 結果 生着範囲は、遊離頚動脈群94%、有茎非遮断群93%、遊離大腿動脈群82%、有茎遮断群81%の結果であった。前2群と後2群には統計学的有意差を認めた。また、血管造影像では前2群では、肋間-深腸骨回旋間のchoke血管の拡張が明らかであった。 結論 本研究結果より、axializationの生じた皮弁は、他の移植床に移行しても安定していることが示唆された。また、副次的結論として、遊離皮弁においては移植床の血管の種類により血行変化の程度が異なることも新たな知見として得ることができた。 今後は、本研究結果を元に、管状成型した人工皮弁を身体の他の部位へ遊離皮弁として移植できる可能性をさらに探求したい。
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Research Products
(2 results)