2004 Fiscal Year Annual Research Report
培養粘膜細胞の筋肉内注入により粘膜面を有する人工膀胱作成に関する研究
Project/Area Number |
15591904
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮脇 剛司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70246445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 克哉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70366277)
栗原 邦弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70133387)
中村 晶子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20301533)
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Keywords | 粘膜細胞培養 / 培養粘膜細胞の組織内注入 / 粘膜の裏打ち複合組織 |
Research Abstract |
粘膜の裏打ち複合組織による再建は、鼻や口腔、あるいは食道、生殖泌尿器領域において必要であり、特に膀胱癌切除後の膀胱再建においては粘膜付組織が必要とされる。 今年度の研究は、第一に兎の舌下粘膜細胞の効率のよい培養法の確立、第二に培養粘膜細胞が筋層内に注入された後筋層に生着し、膀胱のような筋層に包まれた粘膜裏打ちを有するCavityが形成されるかを確認すること、第三に遊離移植後、膀胱としての機能を獲得しえるかを見極めることを目的とした。 粘膜細胞培養においては、昨年の課題として細胞数の確保、粘膜細胞のみの培養、異型細胞への対処、不変性の確立、クリーン性などが残された。細胞数は、培養開始後28日目に平均5〜6x10^6個程度培養された。これは培養速度としては遅いが当研究は生体内外でのTissue Engineering、つまり培養粘膜細胞を生体内に戻した後も細胞の増殖を期待しているため、培養細胞は十分に確保されたと評価した。粘膜細胞以外の細胞への対処は、初代培養を8分割し、選択的に粘膜細胞のみ培養されているwellを継代することにより行った。継代を繰り返すことにより本来の細胞の特徴が少しずつ損なわれると言われているが1回の継代においてわれわれは十分な細胞数を確保できるため細胞の変異は防げると考える。以上、粘膜細胞培養法は確立されたと考える。 培養粘膜細胞の組織内注入は、シリコン製組織拡張器を大腿直筋筋体内に挿入し、後で培養粘膜細胞を注入するためのシリコン製チューブも埋入する。術後7日目にfibrin glueに混ぜて培養粘膜細胞を注入する。組織拡張器の拡張は粘膜細胞注入4日目より開始する。2週後、組織拡張器周囲に形成される粘膜層を組織学的に検討した。摘出標本において全例に米粕様の付着を見また。fibrin glueを用いない培養粘膜細胞のlyning法を検討中である。
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