2003 Fiscal Year Annual Research Report
Bioflow reactorによるヒト鼻中隔軟骨細胞培養と耳介軟骨再生への応用
Project/Area Number |
15591911
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
磯貝 典孝 近畿大学, 医学部附属病院, 助教授 (90203067)
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Keywords | 回転培養 / ヒト鼻中隔軟骨細胞 / 生分解性ポリマー |
Research Abstract |
ヒト鼻中隔軟骨細胞のin vitro環境下における軟骨形成能を調べる目的で、PCR法を用いてtype II collagenの遺伝子発現を検討した。培養条件では、(1)従来の静置培養、および(2)Bioflow reactorを用いた回転培養の2つの条件を設定した。実験では、まず、ヒト鼻中隔をcollagenaseにより酵素処理し、得られた硝子軟骨細胞を継代培養した。次ぎに、軟骨細胞濃度を100x10^6個/mlに調整して、生分解性ポリマー(PCL/PLLA)へ細胞播種した。作成した細胞・ポリマー複合体を、(1)静置群と(2)Bioflow reactorを用いた回転培養群に分けて各々培養し、経時的(培養1週、2週、3週)に軟骨基質(type II collagen)の遺伝子発現の変化を検討した。その結果、静置群に比較して、in vitro環境下の遺伝子発現はBioflow reactorを用いた回転培養群においてup-regulationされていた。また、Bioflow reactorを用いた回転培養群では、培養2週目に最大のtype II collagen-mRNAの遺伝子発現が認められた。この結果より、細胞・ポリマー複合体をin vivoへ移植する上で、回転培養はより分化段階の高い軟骨細胞を供給しうる可能性が示唆された。また、至適な移植時期は、細胞外基質の産生シグナル(type II collagen)が最大となる、培養後2週間と考えられた。次年度は、この細胞・ポリマー複合体をin vivo環境に移植した結果について検討する予定である。さらに再生誘導を加速する目的で、サイトカインを投与(bFGF)し、再生軟骨組織を早期に再生させる技術を確立したいと考えている。
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