2003 Fiscal Year Annual Research Report
急性炎症における髄内好中球体循環遊走と肺集積及び肺傷害に関する研究
Project/Area Number |
15591912
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 元 秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南谷 佳弘 秋田大学, 医学部, 助教授 (30239321)
小川 純一 秋田大学, 医学部, 教授 (20112774)
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Keywords | 好中球 / 血管外遊走 / 肺集積 / deformability / actin / Cdc42 / small G protein / bone marrow release |
Research Abstract |
背景・目的:急性炎症早期では循環血中の好中球増加、つまり骨髄内から循環血液中へのmatureおよびimmatureな好中球の遊走(bone marrow release)が生じている。その後増加した好中球は変形能を低下させ、肺障害のkey stepである好中球肺集積を引き起こすが、そのメカニズムについて好中球細胞骨格変化を中心に検討を行った 方法:ラット尾静脈、頚静脈および頚動脈にカニュレーションし、各種抑制剤前処置後にfMLPを持続静脈内投与、経時的に動静脈血を採取した。またfilter assay systemを用い好中球deformability変化を評価、actin構造変化と定量はConforcal laser microscopeおよびFACS scanで検討した。 結果:fMLP投与で好中球bone marrow releaseが生じた。そして骨髄内好中球のdeformabilityは循環血中好中球より低下しており、F-actin定量値と相関していた。また好中球deformability低下はCytochalasin D (actin polymerization阻害剤)により抑制されたが、colchicine(微小管重合阻害剤)では抑制されなかった。一方Cdc42活性化により好中球のactin polymerizationが増加した。 結語:好中球変形能低下にF-actinは重要な役割を担っていると考えられた。 以上の結果を総括、投稿準備中である。今後bone marrow releaseが肺障害に及ぼす影響もBrduを用いた実験で検討、さらにCdc 42のdownstream target effectorであるp21-activated kinase 1活性も定性、追加実験予定である。
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