2004 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症による中枢神経障害の分子生物学解明(特にサイトカインによる細胞内伝達系への影響)
Project/Area Number |
15591914
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
門井 雄司 群馬大学, 医学部, 講師 (10292591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 繁 群馬大学, 医学系研究科, 助教授 (40251110)
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Keywords | 敗血症 / NO / 脳症 / Septic shock / 神経障害 |
Research Abstract |
雄Wistarラット(7週、300-400g)を使用。敗血症性脳症のモデルとして消化管穿孔モデルを採用(CLP:Pentobarbital麻酔下に24ゲージの針を使用してcecumを穿孔した後閉腹)した。ラットは4グループに分類。(1)conrol(2)sham(3)CLP(4)CLP+L-NIL(4mg/kg腹腔内投与)。CLP作成後、1、6、12そして24時間後に、血行動態、神経学的所見、血中のnitrate/nitrite濃度、脳内iNOS活性、脳内nitrotyrosine濃度(Westemblot法による測定)を測定した。心拍数、+dp/dt max,-dp/dt max、LVEDPはCLPl2時間後において他の3グループと比較して著明に上昇したが24時間後においては、他の3グループと比較して著明に減少し、12時間後からhyperdynamic stateから24時間後にはhypodynamic stateに移行を観察した。L-NIL投与はこの血行動態の変動をくいとめることが出来た。 血中のnitrate/nitrite濃度はCLPにおいて12時間、24時間後に上昇した脳内iNOS活性もCLPにおいて12時間、24時間後に上昇した。脳内nitrotyrosine濃度はCLPにおいて24時間後に上昇した(control,6.7±0.4;sham,6.7±0.5;CLP,1L2±2.8^*;CLP+L-NIL,7.52±0.5densitometric units;^*p<0.01)。しかしながら、敗血症性由来の中枢神経症状はCLP群CLP+1,NIL群ともに24時間後に低下を認め、L-NIL投与は敗血症性由来の中枢神経症状をくいとめることが出来なかった。 敗血症由来の血行動態の変動にNOが強く関与しており、選択的iNOS inhibitor(L-NIL)投与にてその血行動態の変動を改善することが可能であった。しかし、敗血症性由来の中枢神経症状はL-NIL投与で改善出来ず、NOの関与は否定的であった。
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Research Products
(6 results)