2003 Fiscal Year Annual Research Report
LC/MS測定のための各種薬物のマススペクトルライブラリーの作成
Project/Area Number |
15591923
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
服部 秀樹 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (30107817)
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Keywords | LC / MS / ESIポジティブイオン / MSスペクトル / MS / MSスペクトル / LCQ / イオンストラップ / 薬物 |
Research Abstract |
急性薬物中毒においては、その中毒原因薬物を迅速かつ確実に検出することが極めて大切であり、本研究では、事故、自殺等の原因となりやすいと考えられる薬物を順次イオントラップ型のLC/MSであるLCQを用いて、MSスペクトルならびにMS/MSスペクトルを測定し、ライブラリーを作成することによって、中毒例からの未知薬物の同定を迅速かつ簡便に行おうとするものである。 LCQ用のライブラリー作成機能を有したソフトXcaliburを導入した。そのソフトの使いかたについて習熟するとともに、薬物の入手を順次行っている。入手出来た薬物のLC/MSおよびLC/MS/MSのスペクトルの測定を行い、ライブラリーの作成を行っている。 薬物は向精神薬から、順次ライブラリーへの登録を行っている。MSおよびMS/MSの条件の検討を行い、イオン化モードはESIポジティブイオンでの測定を基本とし、イオンキャピラリーの温度は270℃、スプレー電圧は5.8kV、シースガスは100 unit、MS/MSにおいてはCollision energyを40%に設定した。 現在入手、測定しライブラリーに登録した薬物はブチロフェノン類:8種、三環系抗うつ剤:8種類、ベンゾジアゼピン類:27種類、局所麻酔剤:9種類である。まだ薬物を収集している途中であり、今後一つでも多くの薬物をライブラリーに登録していく予定である。 また薬物のスペクトルを測定するだけでなく、同時に基準となるLCでの薬物の測定条件に関しても検討を行っている。カラムでは逆相系カラムを用い、移動相として酢酸アンモニウム溶液とアセトニトリルとのグラジエントを用いることにより多くの薬物の測定が可能であることがわかった。今後実務に即した簡便で迅速なLC測定条件の設定を試みていく。
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