2004 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉法を用いた破骨細胞分化制御:接着因子の遺伝子発現制御と細胞表面SEM
Project/Area Number |
15591939
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永田 健吾 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90189134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 忠彦 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50090874)
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (70150464)
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Keywords | RNA干渉法 / 破骨細胞 / ICAM-1 / LFA-1 / 細胞融合 |
Research Abstract |
本研究はRNA干渉法を用いて接着因子(ICAM-1、LFA-1)遺伝子の発現制御を行うことで、前破骨細胞の融合過程におけるICAM-1とLFA-1の働きを明らかにすることを目的として、マウスマクロファージ由来のRAW264D細胞を用いた破骨細胞形成系でICAM-1とLFA-1の発現様式を分子形態学的に解析した。 RAW264D細胞は20ng/mlRANKLおよび5ng/mlTNF-αを添加したα-MEM培地で培養すると、TRAP陽性の破骨細胞様多核細胞が培養2日目から出現し始め、3日目になるとその数は増加した。走査型電子顕微鏡による観察で、前破骨細胞と思われる単核のRAW264D細胞は微絨毛様の突起により互いに接触していることがわかった。免疫組織化学による観察で、LFA-1の発現は恒常的にほとんど全ての単核のRAW264D細胞に認められたが、RANKLおよびTNF-αで刺激してもLFA-1陽性細胞の割合には変化が認められなかった。また、LFA-1の発現は破骨細胞様多核細胞にはほとんど認められなかった。ICAM-1も単核のRAW264D細胞に恒常的に発現していたが、RANKLおよびTNF-α刺激によりICAM-1陽性細胞の割合が増加した。またICAM-1は破骨細胞様多核細胞にも発現していた。蛍光抗体法によりICAM-1とLFA-1の二重染色を行った結果、融合前の単核のRAW264D細胞がICM-1とLFA-1を同時に発言していることがわかった。アジュバント関節炎ラットの脛骨骨髄において破骨骨髄において破骨細胞が多数出現する部位にICAM-1およびLFA-1陽性単核細胞を確認できた。 以上のことから、RAW264D細胞を用いた破骨細胞形成系においてはRANKLおよびTNF-α刺激により前破骨細胞がICAM-1とLFA-1の両方を同時に発現し、互いの細胞接着の頻度を高め、それに続く細胞融合に関与していることが示唆された。
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