2003 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞由来の接着タンパクbeta ig-h3による骨吸収・骨形成調節機構を探る
Project/Area Number |
15591946
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 教授 (90164772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 利夫 星薬科大学, 薬学部, 助手 (70339521)
佐藤 卓也 明海大学, 歯学部, 助手 (00316689)
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Keywords | beta ig-h3 / 接着タンパク / 破骨細胞分化 / 骨芽細胞 / 骨吸収 / インテグリン / RGD配列 |
Research Abstract |
骨代謝において、骨吸収を担当する破骨細胞の分化はRANKLがトリガーとなって進行する。しかし、破骨細胞前駆細胞がRANKLによってどのような分子機構から破骨細胞にコミットされるのか、その分化のマスター遺伝子は何なのかは未解決である。我々は、RANKLで誘導される破骨細胞分化のマスター遺伝子を探索するプロジェクトからbeta ig-h3を同定した。そこで本年度は、主に、beta ig-h3の破骨細胞分化における役割について下記の項目から検索した。 (1)破骨細胞前駆細胞において、M-CSF存在下でRANKL刺激から短時間でbeta ig-h3の発現は誘導された。beta ig-h3の発現誘導はRANKLとは別にTGF-βによってもなされた。しかし、その発現誘導はRANKLとTGF-βの共存下で相乗的に著明に増幅された。 (2)beta ig-h3の発現は破骨細胞前駆細胞から、TRAPやカルシトニン受容体などの破骨細胞関連分子が発現してくる前の分化前期に増加した。 (3)beta ig-h3の発現は骨芽細胞では認められず、破骨細胞に特異的であった。一方、同じく分子内にRGD配列を有するオステオポンチン(OPN)の発現は骨芽細胞、破骨細胞ともにほぼ同等の割合で発現していた。 (4)beta ig-h3はRGD配列を介して、細胞に発現しているインテグリンと結合し、細胞機能を制御している。破骨細胞はRGD配列を認識するいくつかのα鎖とβ鎖を発現するが破骨細胞分化と連動するインテグリンはαVβ3であった。そこで、破骨細胞前駆細胞のみからなる破骨細胞形成系に抗β3抗体を加えると著しく破骨細胞形成が抑制された。この培養系には破骨細胞前駆細胞のみしか存在せず、RGD配列有する分子は破骨細胞前駆細胞由来である。また、OPN発現は破骨細胞分化を連動しないことから、破骨細胞前駆細胞由来のbeta ig-h3の破骨細胞分化への役割が大きく示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takuma, A., Kaneda, T., Sato, T., Ninomiya, S., Kumegawa, M., Hakeda Y.: "Dexamethasone enhances osteoclast formation synergistically with transforming growth factor-β by stimulating the priming of osteoclast progenitors for differentiation into osteoclasts."J.Biol.Chem.. 278・45. 44667-44674 (2003)
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[Publications] Kobayashi, Y., Ueyama.S., Arai, Y., Yoshida, Y., Kaneda, T., Sato, T., Shin, K., Kumegawa, M., Hakeda, Y.: "The active metabolite of leflunomide, A771726, inhibits both generation and bone-resorbing activity of osteoclasts by acting directly on cells of the osteoclast lineage."J.Bone.Miner.Metab.. In press. (2004)