2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系をかく乱する歯周病原細菌病原因子とそれを防御する唾液タンパク質の解析
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15591948
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00159253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00212910)
山中 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40231667)
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90287178)
伊藤 太一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80312015)
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Keywords | 歯周病原細菌 / 内毒素 / サイトカイン / マウス / 新生児 / 唾液 / バイオフィルム / シスタチン |
Research Abstract |
歯周病は、デンタルプラークというバイオフィルムを構成する複数の歯周病原細菌が原因となる感染症である。それらの歯周病原細菌は、肺炎や心血管系疾患など全身疾患にも関与していることが指摘されてきており、妊婦においては、低体重児出産や早産の原因となることも報告されている。歯周病原細菌の内毒素(lipoplysaccharide ; LPS)は、歯周病の発症と進行に関わるだけでなく、免疫系に非特異的に作用するなど全身的にも様々な影響を与えている。そこで本研究では、マウスを用いて、新生仔期に歯周病原細菌のLPSにさらされることにより成育後免疫系に影響がみられるか否か検討している。本年度は、それらのマウスから採取した細胞を用いて、LPSに対する応答性の違いについて、サイトカイン産生量を指標にしてin vitroで検討した。また唾液タンパク・シスタチンの歯周病原性バイオフィルム形成におよぼす抑制効果を検討した。 Porphyromonas gingivalisおよびActinobacillus actinomycetemcomitansからLPSを抽出・精製した。BALB/c系マウスを用い、出生当日および1日後、精製LPSを皮下注射した。6ヶ月後、脾臓を摘出し、脾細胞を調整した。24 well-culture plateで培養した脾細胞をP.gingivalis LPSあるいはA.actinomycetemcomitans LPSで刺激し、培養上清中に産生されたIL-1β、IL-6、TNFα量を測定した。その結果、新生仔期にLPS投与されたマウスは、対照と比較して産生されるサイトカイン量には有意な差は認められなかった。前年度からの結果を考慮すると、新生仔期LPS投与によって抗原刺激などによって反応する細胞数は増加しているが、細胞自体の反応性には変化がないものと考えられる。またA.actinomycetemcomitansのバイオフィルム形成を唾液シスタチンであるシスタチンSAは、有意に抑制することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Cystatin SA, a cysteine proteinase inhibitor, induces interferon-γ expression in CD4-positive T cells.2004
Author(s)
Kato, T., Ito, T., Imatani, T., Minaguchi, K., Saitoh, E,.Okuda, K.
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Journal Title
Biol.Chem. 385
Pages: 419-422