2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系をかく乱する歯周病原細菌病原因子とそれを防御する唾液タンパク質の解析
Project/Area Number |
15591948
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00159253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00212910)
山中 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40231667)
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90287178)
伊藤 太一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80312015)
|
Keywords | 歯周病原細菌 / 内毒素 / サイトカイン / マウス / 新生児 / 唾液 / バイオフィルム / シスタチン |
Research Abstract |
歯周病原細菌の内毒素(lipoplysaccharide ; LPS)は、歯周病の発症と進行に関わるだけではなく、免疫系に非特異的に作用するなど全身的にもさまざまな影響を与えている。本研究では、マウスを用いて、新生仔期に歯周病原細菌のLPSにさらされることにより成育後の免疫系にどのような影響がみられるか検討してきた。また、唾液タンパク質であるヒスタチンとシスタチンに注目して、それらの機能を解析し、炎症によって引き起こされる歯周病に対してこれらの唾液タンパク質は防御的役割を果たしていることを明らかにした。歯周病原細菌およびそれらのLPSが、シスタチン産生に対して影響を与えるか否かヒト培養細胞を用いて検討した。ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)およびヒト歯肉線維芽細胞(HGF)の培養上清中に産生されたシスタチンC量を、ELISAキット(Bio Vendor Inc.)によって測定した。その結果、HUVECおよびHGFは、シスタチンCを常に産生しており、歯周病原細菌あるいはそれらの内毒素刺激によって、その産生量にはほとんど変化がないことが明らかになった。 免疫応答および炎症反応には、種々のサイトカインが関わっている。歯周病原細菌LPSなどの菌体成分によって産生誘導されたIL-6やTNFαは、炎症性サイトカインとして歯周病の発症と進行に関与している。本研究では、マウスを用いて、運動が血清中のIL-6およびTNFαレベルに影響することを確認し、さらに歯周病原細菌LPSの作用に対し防御的にはたらくかどうか検討した。運動をしたときとしないときのBALB/cマウスとC57BL/6マウスにおけるIL-6とTNFαレベルについて調べた結果、両系統のマウスとも、運動によって血清中IL-6レベルは、有意に上昇し(p<0.05,p<0.01)、TNFαレベルは逆に減少していた。
|
Research Products
(6 results)