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2005 Fiscal Year Annual Research Report

マイクロCTによる硬組織微細構造の非破壊的無機塩量定量法の確立

Research Project

Project/Area Number 15591955
Research InstitutionTsurumi University

Principal Investigator

川崎 堅三  鶴見大学, 歯学部, 教授 (50064374)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 下田 信治  鶴見大学, 歯学部, 講師 (30139620)
KeywordsマイクロCT / 骨密度 / BMD / X線スペクトル / 散乱線 / ビームハードニング効果
Research Abstract

昨年度までにマイクロCTによる無機塩量の試験測定と分析精度の確認をおこない、本課題の目指す無機塩量測定冶具の完成を見ることができたが、分析精度および一部の試料(例えば歯のエナメル質の鋭利な辺縁)においてなお、ビームハードニングの影響により誤差が大きくなる傾向も認められたので、本年度は、ビームハードニング効果を軽減する補償体について検討した。方法は円柱状をなすアルミニウム容器に被写体を挿入し、その周囲にCaSO_4・1/2H_2Oを充填することとした。その結果、マイクロCTの検出器の光電子増倍管(以下I.I.とする。)のダイナミックレンジの狭さに由来する、再構成画像のコントラスト不良についても同時に低減され、いわゆるビームハードニングアーチファクトを軽減することが可能となった。また、本手法では市販装置に改造を施すことなくアーティファクトの軽減に有効であった。
また、マイクロフォーカスX線管を使用した高分解能X線管CT装置を使用することにより微細構造を持つ摘出骨や象牙質のX線吸収係数を的確に描出すると同時に、皮質骨のX線吸収係数と同等またはそれより高いX線吸収係数をもつ材質でできた外容器で被写体を取り囲むことにより、容器内に収納した被写体に入射する低エネルギーX線および被写体で散乱された低エネルギーX線に対してフィルター効果を発揮させ、ビームハードニング効果によるCT装置で計測されたX線吸収係数の不均一性を軽減することができる。また、被写体と同時に計測した、既知の骨密度をもつファントムのX線吸収係数測定値から検量線を作成することにより、被写体寸法による微小なX線吸収係数の変動分を補償した骨密度を測定することが可能となった。
一方、本課題で確立した技法を用いてヒト象牙質の無機質含量の精密定量測定を試みた。26歳から65歳まで10歳ごとのグループに分けて抜去時年齢の既知の歯の歯根を用い、年齢の増加とともに無機質含量がどのように変化するかについてけいそくした。その結果、26-35歳のグループでは歯根象牙質の無機質含量は1.446〜1.632(g cm^<-3>)、36-45歳のグループでは1.473〜1.719(g cm^<-3>)、46-55歳のグループでは1.639〜1.770(g cm^<-3>)、56-65歳のグループでは1.630〜1.652(g cm^<-3>)、65歳以上のグループでは1.695〜1.869(g cm^<-3>)であった。この結果、歯根象牙質は加齢とともに無機塩量を増していることが定量値としてとらえることができるようになり、本課題の目指す硬組織微細構造の非破壊的無機塩量定量法は確立されたといえる。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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