2003 Fiscal Year Annual Research Report
パピローマウイルスDNAワクチンによる癌化抑制機構解明の基礎的研究
Project/Area Number |
15591956
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (30175591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70113066)
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Keywords | パピローマウイルス / DNAワクチン / ハムスター / 発癌 / naked pDNA / 癌抑制効果 / 口腔 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス(HPV)が種々の前癌ならびに癌病変に検出されることから、HPV感染と発癌との関連が多くの注目を集めている。しかし、HPVには種特異性があり、HPVは動物に感染しないことから、HPVについてのin vivoでの感染実験を用いた癌化の証明は不可能である。我々は、dimethyl benzanthracene(DMBA)を用いて6-8週という短期間にハムスターの口腔粘膜に上皮性異形成、扁平上皮癌を誘発できる実験系を確立した。この方法により誘発された上皮性異形成(前癌病変)にパピローマウイルス共通抗原が検出された。そこで我々は、この病変から新しいハムスター口腔パピローマウイルス(HOPV)の分子クローニングを行い、この発癌モデルにおけるHOPVの関与について解析した。HOPVのゲノムのうち、ウイルス粒子の主要構造蛋白をコードする遺伝子L1を培養細胞に発現させ、ウイルス様粒子を産生して免疫用の抗原を作成して、これによりHOPVの免疫を獲得したハムスターでは、発癌処置を加えても発癌に至らなかった。この結果、癌化過程でHOPVが重要な働きをしていることが明らかになりワクチン接種が癌抑制に有用であることが示唆された。本年度では上記の今までの結果をふまえてDNAワクチンによる癌化抑制機構についての検討を行なった。HOPVのゲノムを培養細胞に発現させ、各主要遺伝子を増幅して発現プラスミドに挿入し、,HOPVのnaked pDNAおよびDNA複合体(pDNA/mBSA複合体)を作成した。これらのHOPVのnaked pDNAおよびDNA複合体(pDNA/mBSA複合体)を上記の発癌モデルに接種して、その効果を検索したところ、HOPVのゲノムの主要遺伝子、特にE6,E7,L1領域のnaked pDNAおよびDNA複合体(pDNA/mBSA複合体)を接種したときに癌抑制効果があることが示唆された。この実験系を用いて,HOPVのE6,E7,L1領域などの主要遺伝子のnaked pDNAおよびDNA複合体(pDNA/mBSA複合体)の細胞取り込みを詳細に解析したところ,naked pDNAよりもDNA複合体(pDNA/mBSA複合体)の方がより取り込みが良好なことが判明した.さらに,電気穿孔法を併用することが有用なことも明らかになった.
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