2003 Fiscal Year Annual Research Report
凍結保存歯胚の自家移植に骨髄移入を併用した歯の再生
Project/Area Number |
15591960
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (00224056)
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Keywords | 歯胚再生 / 凍結保存 / 移植 / 糖鎖 / 骨髄移入 |
Research Abstract |
歯胚の移植を成功させるために、歯胚の摘出、凍結保存、解凍、移植手術の手技に関する諸条件を検討するとともに、移植歯胚の良好な成長、発育を促進するために種々の生理活性物質を含む骨髄移入を併用した効果を検討している。 本年度は先ず、SD系ラットの生後5日歯胚(エナメル質基質形成期)の凍結による影響を把握するために、H・E染色標本を作製し、光顕的に検索した。その結果、光顕的に正常歯胚の組織所見と同様であり、形態学的な異常変化はみられなかった。ただ硬組織と軟組織間の剥離すなわち、エナメル芽細胞や象牙芽細胞がエナメル質、象牙質など硬組織から剥離しやすい傾向があった。 次に、歯胚を構成する種々の細胞(外エナメル上皮、内エナメル上皮、エナメル芽細胞、象牙前質、象牙芽細胞、歯髄細胞、血管内皮細胞、ヘルトウィッヒ上皮鞘)について、十数種類の糖鎖(GS-1B4、UEA-1、GS-1、HPA、WA、PNA、SWGA、ほか数種類)についてLSAB染色法にて検討した。その結果、凍結保存歯胚において、解凍後もエナメル芽細胞、象牙芽細胞、歯髄細胞、血管内皮細胞など各細胞内で明らかな局在を示し、糖鎖については保存良好であった。正常歯胚との比較でもとくに差異はみられず、歯胚の凍結、解凍による各細胞内の糖鎖には大きな影響がないことが示唆された。次に、歯胚を構成する種々の細胞(外エナメル上皮、内エナメル上皮、エナメル芽細胞、象牙前質、象牙芽細胞、歯髄細胞、血管内皮細胞、ヘルトウィッヒ上皮鞘)について、十数種類の糖鎖(GS-1B4、UEA-1、GS-1、HPA、WA、PNA、SWGA、ほか数種類)についてLSAB染色法にて検討した。その結果、凍結保存歯胚において、解凍後もエナメル芽細胞、象牙芽細胞、歯髄細胞、血管内皮細胞など各細胞内で明らかな局在を示し、糖鎖については保存良好であった。正常歯胚との比較でもとくに差異はみられず、歯胚の凍結、解凍による各細胞内の糖鎖には大きな影響がないことが示唆された。今後はたんぱく質への影響ついて検索しなければならない。 移植実験に関して、生後12日のラットの上顎第一臼歯部に凍結保存歯胚を移植した。第一臼歯を抜去するために歯槽粘膜弁を形成し、抜歯後、歯槽窩内に解凍した歯胚を移植した。移植後、歯肉粘膜弁はボルフィリンを用いて接着し、良好な治癒経過を得ている。また、同腹ラット下肢頚骨より骨髄がシリンジにて容易に採取でき、細片した後、歯槽内に歯胚と同時移入ができた。術後とくに感染もなく、創傷治癒が起こったことから、移植手術の手技に大きな問題はないものと思われた。 現在、移植歯胚の予後における経目的変化について、病理組織学的検索を継続中である。
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