2005 Fiscal Year Annual Research Report
体液性システインプロテアーゼインヒビターの網羅的解析と歯科医療への応用と実用化
Project/Area Number |
15591981
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Research Institution | NIIGATA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
斉藤 英一 新潟工科大学, 工学部, 教授 (40120662)
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Keywords | システインプロテアーゼ / プロテアーゼインヒビター / プロテオミクス / 二次元電気泳動 / ヒト唾液シスタチン / 歯周病菌増殖抑制 / 組換えオリザシスタチン / 生体防御蛋白質 |
Research Abstract |
本研究課題は「体液性システインプロテアーゼインヒビターを網羅的に検索して歯科医療方面に役立たせること」を展望する。今年度は食用生物資源のシステインプロテアーゼインヒビターも解析した。以下に研究成果を述べる。 1.穀類(米、豆類、イモ類等)に含まれるシステインプロテアーゼインヒビターを検索する手法として二次元電気泳動-ゼラチンリバースザイモグラフィーを開発した。この手法により穀類には第4ファミリーのシスタチン以外の高分子量システインプロテアーゼインヒビターが検出された。一部の植物性システインプロテアーゼインヒビターは歯周病菌の増殖抑制作用を発揮する可能性がある。 2.コシヒカリのカルスよりオリザシスタチン-IIIを発見し、組換え蛋白質の作成にも成功した。このオリザシスタチンは最近になってイネゲノム計画から明らかにされたオリザシスタチン-IIと同一であことが判明した。 3.食用魚類の皮膚、筋肉、肝臓などに存在しているシステインプロテアーゼをスクリーニングするために二次元電気泳動-ゼラチン(蛍光合成基質)ザイモグラフィーの手法を開発した。この手法に阻害剤(CA-074やE-64)を導入すればプロテアーゼ活性の識別化が可能である。 4.日本産ウナギの体表上皮細胞から分泌される粘液中に新型のシステインプロテアーゼインヒビター(Ee1-CPI-1と命名)が存在することを発見したEe1-CPI-1は先に明らかにされていたウナギレクチンAJL2と同一である。それゆえ、Ee1-CPI-1はレクチン活性を保持するシステインプロテアーゼインヒビターであることになる。5.ヒト唾液シスタチンSA1およびSA2のモノクローナル抗体の作成に成功した。 5.枯草菌にヒト唾液シスタチンを工業的規模で生産させる手法を確立した。多少問題はあるが、1リットル培養あたりおよそ1グラム程度の組換えヒト唾液シスタチンが得られる。
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Research Products
(7 results)