2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591989
|
Research Institution | THE NIPPON DENTAL UNIVERSITY COLLEGE AT NIIGATA |
Principal Investigator |
伊勢村 知子 日本歯科大学新潟短期大学, 教授 (10112963)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 律子 日本歯科大学新潟短期大学, 助手 (50178787)
|
Keywords | 唾液 / 高プロリン蛋白質 / P-B / ウシ / 歯胚 / ウシゲノムDNA / 大腸菌DNA / キメラ構造 |
Research Abstract |
ヒト唾液に含まれる高プロリン蛋白質P-Bはウシ歯胚においても合成、発現されている。また、歯胚以外のウシ各種組織(歯胚、顎下腺、耳下腺、腎臓、肝臓、脾臓、膵臓、脳、卵巣、子宮、胃、小腸、大腸、涙腺、副腎、肺、心臓)に於いてもP-Bが発現されているが、組織によって発現量が異なる。P-B cDNAの3'側非翻訳領域を標的としてTaqMan法による定量PCRで定量したところ、心臓、顎下腺、歯胚、腎臓では発現量が多く、脳や脾臓では少ない。発現部位がきわめて広範であることから、P-Bの機能が細胞の生存に関わる重要なものである可能性が考えられる。 ウシP-B cDNAのPCRクローニングの過程で、3'非翻訳領域がヒトP-B cDNAと相同性の高い領域と大腸菌ゲノムの部分構造(ラクトースオペレーターを含む領域)より成るキメラ構造を有するクローンを得た。ウシゲノムDNAを解析したところウシゲノムDNA中にもこのキメラ構造が存在するので、ウシ歯胚クローニングの際に人為的に生成したものではないと考えている。また、ウシゲノムDNAの解析はP-B関連遺伝子が複数存在する可能性ならびにキメラ構造を含む領域が複数存在する可能性を示唆した。我々は、ウシ各種組織に於いてP-B発現量が異なるという知見ならびにヒト細胞の癌化や分化においてP-B発現量が変動するという予備実験データを有しているが、特定の遺伝子の発現量が組織や生理的条件の変化に伴い変動する可能性の他に、遺伝子の多重性が発現分布や発現量変動に関わってくる可能性があると考えている。
|
Research Products
(2 results)