2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液ストレスマーカー測定による口腔乾燥症の病態分析
Project/Area Number |
15592010
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Research Institution | Aichi-gakuin University |
Principal Investigator |
泉 雅浩 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (40212956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗孝 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (20167539)
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60232063)
後藤 真一 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30319206)
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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Keywords | 唾液 / ストレス / 口腔乾燥 / クロモグラニンA / ストレスマーカー |
Research Abstract |
口腔乾燥症は日常生活の基本となる様々な口腔機能に悪影響を及ぼす。精神的ストレスは口腔乾燥の原因の一つであると推測されているが、詳細に検討された報告は非常に少ない。近年、唾液中のクロモグラニンAが非侵襲的で、しかも感度の高い精神的ストレスマーカーとして注目されている。そこで、我々は唾液クロモグラニンAをストレスマーカーとして、口腔乾燥症と精神的ストレスとの関連性について調査した。対象は口腔乾燥症患者40人(男性6名、女性34名;52〜81歳)とコントロールとしての健常者20名(男性3名、女性17名;50〜79歳)である。唾液の採取は、綿球を用い口腔底から、そして唾液腺カテーテルを用い両側耳下腺から行った。測定はsingle-blindとし、専門の研究施設で行った。また、生理食塩水のみの擬似唾液を郵送し、測定依頼をした研究施設の分析精度についても検討を行った。 口腔乾燥症患者から採取できた唾液は非常に少なく、1部位につき0.05〜0.40mlであった。疑似唾液の測定値から、依頼施設におけるクロモグラニンAの測定誤差は0.05pmol/ml以下であると推定された.両側耳下腺のクロモグラニンAの濃度は高い相関を示したが、口腔底唾液の濃度は耳下腺唾液の濃度に比べて高く、両者に相関はみられなかった。このことは、混合唾液である口腔底の唾液より、漿液性唾液のみで構成される耳下腺唾液が、ストレス測定には適していることを示唆したものである。耳下腺唾液の濃度は健常者が1.02pmol/ml以下であったのに対し、口腔乾燥症患者は9名が大きく上回った。 以上の結果から、唾液クロモグラニンAは微量の唾液からでも高い精度で測定が可能であること、口腔乾燥症と精神的ストレスには関連性があることが示唆された。
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