2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯科審美漂白による歯質の物理化学的性質の変動と臨床的問題点
Project/Area Number |
15592014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 享 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90179771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 進 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20125305)
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
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Keywords | 漂泊 / 過酸化水素水 / 二酸化チタン |
Research Abstract |
漂白処置した歯牙のエナメル質、象牙質について表面と断面の形態学的、物理化学的変化ならびに歯質の強度変化を明らかにするため本研究を行っている。 歯牙漂泊剤として低濃度の過酸化水素水として漂白効果が認められた6%の過酸化水素水と光触媒二酸化チタンを使用し、光重合型コンポジットレジン用のハロゲンランプ照射器にて90秒間の光照射を10回行い漂白処置の完了とした。エナメル質漂白モデルの作製にはヒト抜去歯唇面エナメル質に漂白処置を行い、象牙質漂白モデルの作製にはヒト抜去歯舌面から研磨し髄側の象牙質を露出させ漂白処置を行い、それぞれのモデルの表面観察試料を作製した。また、漂白した後、樹脂包埋し歯軸と水平方向に頬舌的に切断、研磨し断面観察試料を作製した。 試料の光学顕微鏡およびSEM観察において現在のところ表面、断面とも漂白処置前後に特有な形態学変化を見いだすには至ってはいない。断面観察試料から100μmの切片を作製し、これらのコンタクトマイクロラジオグラフィのグレイ値から歯牙の無機成分の変化を観察することを試みているが、エックス線の照射条件や画像の処理条件を設定する作業を完了し分析可能となり、漂白処置前後の無機成分の変化および適切な分析装置を選択し元素分析を行う予定である。 漂白処置によるコンポジットレジンの歯質への接着力への影響を調べるため接着システムとしてメガボンドとクリアフィルAP-Xの組み合わせを用いて微小引っ張り試験により接着力を測定している。漂白直後ではエナメル質、象牙質とも接着力が低下する傾向にあるが、漂白後時間が経過すると回復するという報告があるのでこの条件でも測定する予定である。
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