2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯科審美漂白による歯質の物理化学的性質の変動と臨床的問題点
Project/Area Number |
15592014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 享 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90179771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
川上 進 北海道大学, ・大学病院, 講師 (20125305)
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Keywords | 漂白 / 過酸化水素水 / 二酸化チタン / 辺縁漏洩 / 接着力 |
Research Abstract |
漂白処置した歯牙のエナメル質、象牙質について表面と断面の形態学的、物理化学的変化ならびに臨床を想定しコンポジットレジンとの接着性を検索した。 歯牙漂白剤として低濃度の過酸化水素水であっても漂白効果が認められた6%の過酸化水素水と光触媒二酸化チタンを使用し、光重合型コンポジットレジン用のハロゲンランプ照射器にて90秒間の光照射を5〜10回行った。本法で漂白処置した場合、光学顕微鏡およびSEM観察において漂白処置前後の明確な形態学変化を観察するには至らなかった。 ヒト抜去大臼歯より得られたエナメル質面および象牙質面を耐水研磨紙#600で研削し漂白処置を行った。内径3.18mm×高さ約3mmの規格プラスチックチューブを歯面に密着固定し、クリアフィルメガボンドとAP-Xを用いてチューブ内に充填した。充填時期は漂白後直ちに充填したものと漂白処置1日後に充填したものを設定した。その後水中保管し1ヶ月後に0.5%塩基性フクシンに24時間浸漬した。試料を2分割した後に色素の浸入を実体顕微鏡下で観察し辺縁漏洩を調べた。漂白処置をしないで充填したコントロールに比べて、漂白後直ちに充填した群と漂白処置1日後に充填した群ともに辺縁漏洩の程度は増加する傾向にあった。この傾向はエナメル質および象牙質において双方において認められた。 辺縁漏洩試験と同様な歯面に内径0.79mm×高さ約1mmの規格プラスチックチューブを歯面に密着固定し、クリアフィルメガボンドとAP-Xを用いてチューブ内に充填した。充填時期も辺縁漏洩試験と同様とし、この試料にて接着力試験を行った。エナメル質、象牙質とも漂白処置をした場合接着力が減少する傾向が認められた。
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