2005 Fiscal Year Annual Research Report
エイズおよびウイルス肝炎患者の歯科治療における院内感染防止対策に関する研究
Project/Area Number |
15592016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安倍 敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10222647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
遠藤 達雄 東北大学, 病院・講師 (20168826)
平田 政嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70312593)
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Keywords | 院内感染 / 歯科用ユニット / 歯科治療 / ICT / ICD / 消毒 / 残留塩素 / 従属栄養細菌 |
Research Abstract |
歯科診療時には、歯科診療用ユニットから供給される水を用いて、歯牙切削時の冷却、歯や軟組織の洗浄、および患者のうがいなどを行っている。このユニット水は水道水から供給されているが、ユニット内部の細いチューブ内に停滞している間に細菌の増殖が生じ、チューブ内にバイオフィルムを形成するとの報告がある。近年、易感染性患者の歯科受診が増加しており、ユニット水を原因とする感染症の発症が危惧されている。そこで、本研究ではユニット水中の汚染状況について検討した。 1.ユニット水の残留塩素濃度と生菌数の測定 ユニット水を(1)ウォーターシリンジ、(2)タービンハンドピース、および(3)患者洗口用水の3カ所から採水した。採水は一日の診療開始時と診療終了時に行った。残留塩素濃度測定は吸光光度法(DPD試薬)にて行い、生菌数の測定は各ユニット水をR2A寒天平板培地に塗抹し、25℃で7日間培養し従属栄養細菌のコロニー数を計測した。その結果、診療開始時の残留塩素濃度は、試料数の83%に塩素の残留を認めなかった。また、診療終了時の塩素濃度は0.21〜0.67ppmであった。生菌数は、診療開始時に3.3×10^4CFU/ml以上、診療終了時に5.4×10^3CFU/ml以上であった。診療開始時よりも終了時の生菌数は減少したが、診療室内の水道水中の生菌数(8.0×10CFU/ml)よりも著しく多かった。 2.放水によるユニット水の残留塩素濃度と生菌数の変化 診療開始前にユニット水を放水し、残留塩素濃度および生菌数の測定を行った。放水開始後、2分間は残留塩素を認めなかった。放水開始3分後まで、生菌数は著しく減少した。
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Research Products
(2 results)