2003 Fiscal Year Annual Research Report
露髄面に対する創傷被覆材の効果と分化・増殖因子添加による硬組織形成能に与える影響
Project/Area Number |
15592033
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小塚 昌宏 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00328759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 功 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60307874)
川島 正 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50158862)
松島 潔 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (00157306)
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Keywords | 創傷被覆材 / 歯髄 / 直接覆髄 / アルギン酸塩 |
Research Abstract |
歯髄に対する創傷被覆材の有効性を検討するために以下の実験を行った。また、創傷被覆材については、アルギン酸塩被覆材がその形状から扱いやすく、いかなる窩洞においても対応できるであろうと判断され、今回の実験に用いられた。 1、アルギン酸塩被覆材を静置した10cm cell culture dish上にヒト歯髄培養細胞を1.0×10^6個播種し、10%FCS含有α-MEMを用いて培養を行い、ヒト歯髄培養細胞に対する為害性の観察を行った。 2、実験動物に健康なラット(Wistar系、雄、8週齢)を用い、上顎第一臼歯咬合面に#1/2ラウンドバーにて窩洞形成を行い人工的に露髄をさせた後、アルギン酸塩被覆材による直接覆髄を行い、グラスアイオノマーセメントを用いて裏装した。また、反対側同名歯に対し同様に人工的露髄をさせ、水酸化カルシウム製剤を用いて直接覆髄したものをコントロールとして用いた。実験動物は処置後1,3,5日目の各実験期間飼育後、5%ペントバルビタールの過剰投与により薬殺し、ただちに10%中性緩衝ホルマリン溶液で灌流固定を行い、被験歯を上顎骨ごと取り出した。その後通法に従いパラフィン包埋を行い、約4μmの連続切片標本を作製し、ヘマトキシリン-エオジン重染色を施した。 1、アルギン酸塩創傷被覆材存在下においても細胞は通常と同じ増殖を行い、アルギン酸塩創傷被覆材のヒト歯髄培養細胞への為害性は確認されなかった。 2、実験群およびコントロール群の両群ともに炎症性細胞の浸潤が認められたが、コントロール群においてのみ歯髄の壊死層が認められ、実験群においては認められなかった。 今後、修復象牙質形成量の比較や、免疫染色を行いタンパク質産生の検索を行っていく予定である。
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