2004 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素法を応用した義歯の動態解析に基づく下顎無歯顎堤の3次元的形態分類
Project/Area Number |
15592039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高山 芳幸 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30236369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 究 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90312371)
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Keywords | 下顎無菌顎 / 全部床義歯 / 顎堤形態 / 有限要素法 / 分類 / 動態解析 / 3次元形状測定 / クラスター分析 |
Research Abstract |
1.目的 本研究の目的は,(1)下顎無歯顎堤の3次元形状データから、短時間で有限要素(FE)モデルを作成する方法を開発し、(2)解析された咬合力負荷時の義歯の挙動から、顎堤形態の分類を試みることである。本年度は,昨年度開発した方法によりFEモデルを作成し、顎堤形態の分類を試みた。 2.方法 上下顎全部床義歯新製予定の16症例について,下顎の作業模型,および試適済みの蝋義歯を装着した同模型を,非接触3次元デジタイザLPX-250(ローランドDG(株)製)により形状測定した。データから、C++言語にて自作したソフトにより、半自動的にFEモデルを作成した。荷重条件は、人工臼歯中心溝上で前後的中央に左右各1点の荷重点を設定し、各10Nの垂直方向荷重とした。左右の義歯床後端と、正中線上で義歯床の唇舌的中央の計3点のx,y,z各方向の変位を変数として主成分分析を行い、主成分得点に基づいた階層的クラスター分析により、顎堤形態の分類を試みた。 3.結果 主成分分析の結果、義歯の挙動を考察するにあたり、累積寄与率が約84%となる第3主成分までの考慮で統計学的に十分と考えられた。各主成分の固有ベクトルから、第1主成分は義歯の前後的移動、第2主成分は水平面内での回転、第3主成分は臼歯部での沈下と矢状面内での回転が主に関与していると推測された。クラスター分析の結果、A:水平的変位が少なく義歯が安定(12症例)、B:前方移動と前方への傾斜(2症例)、C:大きな水平的回転(1症例)、D:義歯の後方移動(1症例)に分類された。しかし、A以外は例数が少ないことから、さらに症例を増やす必要があると考えられた。今後、上顎への応用とともに、顎堤形態を表す指標との関連を調べ、臨床応用可能な診断方法を探索する予定である。
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