2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
駒井 伸也 東北大学, 病院, 助手 (90234864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 士朗 東北大学, 病院・講師 (80230069)
阪本 真弥 東北大学, 病院・講師 (90157686)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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Keywords | Osteoporosis / mandibular condyle / μCT / Ovariectomy / 骨粗鬆症 / 下顎頭 / 卵巣摘出 |
Research Abstract |
近年,閉経後の女性顎関節症患者の60%以上が骨粗鬆症に罹患しており,顎関節の骨変形が高度なものほど全身骨塩量が低いという報告があり,変形性顎関節症と骨粗鬆症の関連性が疑われている。しかしながら,骨粗鬆症が顎関節に及ぼす影響は不明である。そこで本研究では,卵巣摘出後2年経過した骨粗鬆症モデルのカニクイザルの頭部標本(OVX群)とそのコントロール標本(Sham群)を用いて骨粗鬆化が変形性顎関節症に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。なおOVX群はSham群に比較して腰椎骨密度が約20%少なく、骨粗鬆症モデルであることが確認されている。研究方法はOVX群とSham群の顎関節部について肉眼解剖学的検索、単純X線、,CT、およびμCTによるエックス線学的検索および組織学的検索を行った。その結果、1.肉眼的解剖所見では、下顎頭関節面に形態変化がみられたものの2群には差がなく、また、関節円板、下顎窩にも変化や2群の差はみられなかった。2.単純X線(側斜位経頭蓋撮影法)では、両群の下顎頭海面骨部の骨塩量に差はみられなかった。3.X線CT及びμCTを用いた分析では下顎頭と下顎窩の海面骨の骨梁形態に一見して明らかな差があり、骨密度はSham群よりもOVX群が有意に低値を示しOVX群はSham群に比べて約14%減少していた。しかしながら皮質骨では骨密度の低下はみられなかった。4.病理組織学的検索では、OVX群の下顎頭の軟骨肥大層は菲薄化し、肥大化軟骨細胞数は減少していた。以上より、卵巣摘出カニクイザルでは、下顎頭海面骨には骨粗鬆症の変化が起こるが皮質骨には起こらないことが示された。従って、この変化は通常の単純エックス線写真では捕らえにくいこと、エストロゲンの減少のみでは変形性顎関節症は起こりにくいことが示された。
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