2003 Fiscal Year Annual Research Report
各種支台築造を用いた歯周疾患を持つ下顎遊離端義歯・支台歯の荷重伝達特性の検討
Project/Area Number |
15592043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 秀美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (50005104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
遠藤 英昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168830)
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
益田 義治 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20118673)
佐々木 具文 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (40323034)
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Keywords | 下顎遊離端義歯 / 歯槽骨欠損 / 支台歯 / ポストコア / 支台装置 / 擬似三次元光弾性法 / 高速光弾性実験法 |
Research Abstract |
本研究は,日常臨床において義歯の設計上,"力"のコントロールの困難さを伴う2種類の片側処置および両側処置の下顎遊離端義歯を対象に,種々の歯槽骨欠損(垂直性,水平性骨欠損)を持つ支台歯を有する三次元光弾性模型を作製し,(1)支台歯が有髄,(2)支台歯が無髄でポストコアが必要(ポストの材料はメタル・コア,接着性レジンコア,ファイバーコアポストなど),(3)各種支台装置(RPI,コーヌスクローネなど),(4)連結歯数(sprint)など,義歯設計にとって有用な各種条件を変化させ,その時の支台歯およびその支持組織内部に生じた内部応力を比較・検討した. 平成15年度は,1)片側処置の片側性下顎遊離端義歯装着模型,2)両側処置の両側性下顎遊離端義歯装着模型の2種類を製作した.その時の支台歯は有髄・無髄で,その支持歯槽骨は1)健常,2)垂直性骨欠損,3)水平性骨欠損,の3種類とした.さらに支台歯内部の荷重伝達特性の様相は擬似三次元光弾性法と10μs〜100μs間隔での撮影可能な高速光弾性実験法を併用した.結果は以下の通りであった. 1)片側処置の片側性下顎遊離端義歯の場合. 3種類の支台装置(RPI,パラレロミリング,コーヌスクローネ)を用いた場合,荷重方向によって荷重伝達特性は異なった.またRPI支台装置が一番良好な荷重伝達特性を示した. 2)両側処置の両側性下顎遊離端義歯の場合. RPI支台装置では,水平性骨欠損で強い応力の出現を示した.また連結歯数は2歯連結と3歯連結の間で変化が大きく,3歯連結の重要性が認められた. 3)支台歯が無髄歯でメタル・コアを用いた場合,有髄歯と比べて,メタル・コアの先端部と歯頸部付近での応力集中が強く認められた.また衝撃光弾性法での実験から,カラーでの撮影が良いこと,撮影間隔は10μsでの撮影が良好であること,撮影時間は100μs〜200μsまでで十分であること,光弾性感度の良い材料を用いること,などが示唆された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 伊藤 秀美: "ワイドな直径インプラントを含む教舌的オフセット配置の荷重伝達特性"日本実験力学会講演論文集・2003年次講演会. 3. 153-155 (2003)
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[Publications] 佐々木 具文: "クラトビルとクロールのRPIクラスプ・支台歯の光弾性応力解析"日本実験力学会講演論文集・2003年次講演会. 3. 153-155 (2003)
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[Publications] 伊藤 秀美: "支台歯・歯根破折の予防-各種下顎遊離端欠損・支台歯のバイオメカニクス-"日本実験力学会講演論文集. 3-1. 64-69 (2003)
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[Publications] 遠藤 英昭: "歯根破折とその臨床"ザ・クインテッセンス. 23-1. 64-71 (2004)
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[Publications] Hidemi Itoh: "Biomechanical Comparison of Straight and Staggered Implant P1 acement Configurations"The International Journal of Periodontics & Restorative Dentistry. 24-1. 47-55 (2004)
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[Publications] 伊藤 秀美: "歯根破折を起こしにくい支台築造を求めて"ザ・クインテッセンス. 23-1. 55-63 (2004)