2004 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント周囲炎の活動性を診断するチェアーサイド検査システムの開発
Project/Area Number |
15592049
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒川 光 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30304314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00225195)
完山 学 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294420)
小島 俊司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10346455)
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Keywords | インプラント周囲炎 / コラゲナーゼ / 歯肉溝滲出液 / リスクマーカー / リスク因子 / Western blotting / 多変量解析 |
Research Abstract |
当科のインプラントメンテナンスプロトコルに従いインプラント患者にリコールを行ったところ,3名にインプラント周囲の重度骨吸収が観察された.これらインプラント周囲炎患者に従来の歯周外科治療を行い,臨床検査および分子生物学的手法を用いて治療効果とMMP-8との関連を検討した.さらに,インプラント周囲炎のリスク因子,すなわち上部構造装着後のオッセオインテグレーション維持を破壊するリスク因子の同定を目的に臨床疫学的検討を行った. 【方法】 1.インプラント周囲炎患者3名のうち研究の主旨を説明し,同意が得られた2名に対し歯周外科を行った. 2.歯周外科施術前後にインプラント周囲溝滲出液(PICF)を採取し,従来行われている歯周検査,規格化レントゲン撮影を行った.PICF中のMMP-8の検出は抗MMP-8モノクロナール抗体を用いたWestern blottingにより行った. 3.また,全リコール患者136名の診療録から,オッセオインテグレーション維持を破壊すると思われる既知のリスク因子12項目を調査し,多変量解析によりリスク因子の同定を行った. 【結果】 1.歯周外科前に検出されたMMP-8は,外科後には検出されなかった.そして,3カ月後のレントゲン所見では,術前と比較して,進行していた骨吸収は抑制もしくは骨添加が認められた. 2.多変量解析の結果,オッセオインテグレーション維持破壊のリスク因子は,上下顎といった埋入部位とインプラント体の長さであった. 本研究は,骨破壊のリスク因子の同定ならびにリスクマーカーの検索を目的に,歯周病学的および臨床疫学的両側面からアプローチしてきた.そして,リスク因子の同定,有力なリスクマーカーの候補を絞ることはできた.今後は,骨吸収の活動性を診断できるチェアーサイド検査キットを使用した多面的なインプラントメインテナンスプロトコルを開発する予定である.
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Research Products
(3 results)