2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用金属アレルギー患者における口腔内金属の起電力とアレルギー症状の検討
Project/Area Number |
15592052
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細木 真紀 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10228421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 啓介 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10202235)
竹内 久裕 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10222093)
薩摩 登誉子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80335801)
中野 雅徳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30136262)
坂東 永一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00014168)
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Keywords | DMAメータ / 歯科用金属アレルギー / 起電力 |
Research Abstract |
口腔内に組成の異なる複数の金属が存在すると電位差を生じ,唾液を電解質溶液としてイオン化傾向の高い金属が溶出する.この現象は金属修復物の腐食を引き起こすとともに,イオン化した歯科用金属に起因するアレルギー症状を惹起する一因となる.本研究は,アレルギー症状を示す患者群と,健常者群において,DMAメータ(モリタ社,Dental Metal Activity Meter・JS2002)を用い口腔内金属の起電力を測定し,口腔内に装着された金属修復物の種類とその溶出傾向について比較検討した.また患者群においてはパッチテストによるアレルギー陽性金属の種類と,口腔内金属の溶出傾向の関係についても検討した. その結果,DMAメータによる口腔内金属の溶出傾向はMetastable(準安定)を示した修復物が最も多く,ついでActive(不安定),Stable(安定)を示す修復物の順に多く認められた.金属の種類ではアマルガムとNi-Cr合金製の修復物においてActiveを示した例が多く,白金加金やBond-HI-Precious合金製の修復物ではStableを示す例が多く認められた.また金銀パラジウム合金,Co-Cr合金,金合金,銀合金製の修復物においてはMetastableを示す割合が多かった. パッチテストにより判定したアレルギー陽性患者群を,健常者ボランティアとアレルギー陰性患者を合わせた対象群と比較すると,アレルギー陽性患者群においてBond-HI-Precious合金製の修復物にActiveを示した例が多かった. 研究の結果の一部は2004年度日本補綴歯科学会中国・四国支部学術大会で"歯科用金属アレルギーと口腔内金属の起電力の関係"の演題名で発表した.
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