2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症に対してスプリント療法は,ほんとうに効果があるのか?
Project/Area Number |
15592056
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤井 哲則 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40165337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山邉 芳久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90191379)
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Keywords | 顎関節症 / MRI / 関節円板 / スプリント療法 / 円板前方転位 |
Research Abstract |
平成15年度にブラキシズム患者で,顎関節症の1症候であるMPD症候群を有する群30名と有しない群30名に対してスプリント療法を試みた。MPD症候群のほうが,療法前後で咬合が変化した人が多かった(IADRで口頭発表し、J Craniomandibular Pracに投稿,受理).これは,顎関節症症状が存在すれば,咬合が変化する可能性を示唆している、スプリント療法で咬合状態が変化すること,顎関節症の症状によって症状の消退時期に差異があることから,16年度は,咬合状態が変化する主な原因といわれている,関節円板の位置の変化を調査した. ○研究1:スプリント療法による関節円板の位置変化の検討 ・初診時のMRIで,関節円板が前方転位していた顎関節症患者20名を対象にした. ・15名が非復位性で、5名が復位性円板転位であった. ・平均13.6週のスプリント療法後,すべての患者の円板は前方転位してままであった. ・非複位性15名中5名が非複位性から復位性に改善した. ・この結果は,スプリントにより,下顎頭の働きが改善されたことや後部結合組織の適応によるものと考えた(IADRで口頭発表し、J Craniomandibular Pracに投稿). ○研究2:MRIにおける関節円板の位置と顎関節症症状の検討 ・顎関節症患者20名を対象とした.復位性円板前方転位と非復位性前方転位との比較 ・初診時の症状とMRI:雑音10名中非復位性7名,復位性3名;疼痛10名中非復位性8名復位性2名開口制限9名中非復位性8名復位性1名 ・初発症状:雑音13名非復位性10名復位性3名;疼痛4名中非復位性3名復位性1名,開口制限3名中非復位性2名,復位性1名 ・症状期間:非復位性114.1±23.4週,復位性128.4±65.4週(U value=34.5,p=0.793) ・開口量:非復位性38.5±2.5mm,復位性44.7±3.9mm(U value=23.5,p=0.222) ・以上から円板位置と顎関節症症状は関連性が少ないことが示唆された(J Oral Rehabilitation 投稿中).
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Research Products
(2 results)