2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592057
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有川 裕之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90128405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 隆人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70152791)
伴 清治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10159105)
篠原 直幸 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40136891)
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Keywords | 臭気 / におい / 義歯床 / アクリルレジン / ポリサルフォンレジン / 劣化 / 光学的性質 / 色調 |
Research Abstract |
半導体嗅覚センサーをもつ電子式におい分析装置(本研究費補助金にて購入)を使用して、歯科材料の中では最も臭気の影響を受けると考えられる各種義歯床用材料の臭気試験を実施した。材料には市販されている義歯床用アクリルレジン/(加熱重合型、常温重合型、光重合型)および射出成型用ポリサルフォンレジンを使用した。各材料を、一般に主たる口臭要因とされているメチルメルカプタン水溶液、硫化水素水溶液に長期間浸漬し、材料の臭気を測定した。また、高分子材料の臭気と劣化の関連を検討するため、臭気試験と並行して材料の光学的性質(光反射特性、光透過特性等)および色調(光沢、色彩等)を測定し、臭気と材料の劣化との関連について検討をおこなった。 その結果、現在使用されている義歯床用材料は、口臭源におい物質により著しく着臭すること、また浸漬期間が長くなるほど臭気が増加し、とくに硫化水素の影響が大きいことを確認した。材料別では、常温重合型アクリルレジンの臭気が他の材料に比べて大きくなる傾向を示したが、他材料との有意な差は認められなかった。一方、材料の劣化と光学的性質に関しては、義歯床用材料のにおい物質への浸漬に伴う光学的性質や色調の変化は、浸漬期間が長くなるにつれて材料の光反射率や光透過特性が低下する傾向がみられ、また材料の色彩は浸漬前後で色差値は変化したが、いずれの材料も視認可能と思われる色差変化は認められなかった。紫外線照射等による材料の劣化と光学的性質の変化については両者に大きな相関があることが報告されており、臭気と材料の劣化との関連についても定量化できるものと考えられる。今後、義歯床の洗浄や改床に伴う表面研削が材料の臭気に及ぼす影響を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)