Research Abstract |
本研究の目的は,高効率でリサイクルが可能な試作した水銀を使用しないエキシマガスの超小型冷陰極真空紫外線放電管を長寿命化すると共に数時間で医療用オゾン化オイルを製造できる装置を試作し,実用化することである。 そこで,本年度は水銀を使用しないエキシマガスの超小型冷陰極真空紫外線放電管(エキシマランプ)を開発する目的で,紫外線を透過する石英ガラス管を使用し,電極部と陽光柱放電部とにノズル状の通路を設けて分離し,管内部に電極を持つ放電管を設計し,100種以上の組成の異なるエキシマガス[不活性ガス(He,Ar,Xe,Ne,Krなど)と多元素からなるハロゲンガス(SF_6,CH_3Br,Cl_2など)の何種かを組合せた混合ガス]を充填してエキシマランプを試作し、検討を行った結果,アルゴン・水銀の従来型紫外線ランプは,12000時間以上と寿命が長いが,このランプの形状の石英ガラス管にエキシマガスを填入した放電管は,1〜2時間と著しく寿命が短かった。このことは,エキシマガスとW電極との化学反応が激しいために起こったものと考えられる。 一方,試作したエキシマランプは10〜100時間以上に寿命が延びた。このことは,電極部と陽光柱放電部にノズル状の通路を設けて離し,管内部に電極を持つことにより,電極との化学反応を抑制する効果があったことを示唆している。また,輝度も現在の蛍光灯と同程度のものも作ることができた。 今後,できるだけ放電電圧を低く押さえ,真空紫外線を含むトータルの紫外線を効率よく放射できるエキシマガスの混合組成の研究をすることにより,3000時間以上使用可能なエキシマランプを作ることが可能であることが分かってきた。 試作したエキシマランプは,水銀を使用しないオゾン発生管であり,LCD用バックライトおよび小型蛍光灯でもあるので、多くの応用研究が可能であると考えている。 一方,医療用オゾン化オイル製造装置も組み立てたが,2,3の問題点がでてきて,対処している現状である。
|