2003 Fiscal Year Annual Research Report
EBMに基づき診断再現性の向上を目指した顎堤スタンダードモデルの開発
Project/Area Number |
15592063
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
積田 正和 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00138504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七田 俊晴 昭和大学, 歯学部, 助手 (70307057)
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80177831)
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
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Keywords | 高齢者 / QOL / 診断再現性 / エビデンス / テクノロジーアセスメント / 診断普遍性 / 全部床義歯 / 顎堤形態 |
Research Abstract |
超高齢化社会を目前に控えるわが国において,QOLの向上は重要な問題である.欠損補綴において現在様々な補綴方法があるが,無歯顎者に対する全部床義歯治療においても,装着期間が延長し,ますます質の高い治療が求められるようになった.良質な全部床義歯治療に際し適切な診断を行うことは極めて大切であり,予後を左右する大変重要な因子である.しかし,顎堤形態や高さの診断は重要なパラメータと認識されてはいるものの,いまだ術者の主観的判断によるのが現状で,普遍性や再現性に疑問が残る.そこで,当教室では第109回日本補綴歯科学会にて,研究用模型による術者の主観的評価と,計測による客観的評価の関係を予備的に明らかにし,主観的評価の識別の基準値(上顎では"低い"と"中間"を6mmとし,"中間"と"高い"を10mmとした.下顎では"低い"と"中間"を0mmとし,"中間"と"高い"を5mmとした.)を求め発表を行った.今後さらに,形態の基準値も割り出し,高さの基準値と合わせてスタンダードモデルを開発する.また,口腔内をチェアーサイドにて診査する主観的評価の際に比較対象として用いることで,診断の普遍性や再現性が向上することを証明する.本研究の成果により再現性のある診断が可能となれば,診断の精度が向上し,新たなエビデンスを獲得できるうえ,テクノロジーアセスメントの基準ともなり,良質な医療の提供につながると考えられる.
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